第148回「インドの宿」
ニーハオ、ニホンコンです。
そういえば、インド話が途中になっていたので
あの辛く、そして楽しかった記憶を
また思い出してみたいと思います。
急にインドを思い出したのには
ワケがあり、何回も読んでいる
お気に入りの本にちょっとした発見が
あったからで。
「深夜特急/沢木耕太郎」
繰り返して何度も読んでいる旅のバイブル。
なんと、数年ぶりに読んだら、ニホンコン、インドにて
筆者と同じ宿に泊まっていたことが判明!
なんと光栄な!今だから言えるけれど、
そこは本当に色んな意味でスゴい宿でした。
その宿とは、カルカッタの安宿街にある
「サルベーションアーミー」。
日本語で言うと「救世軍」。
ニホンコンには全く馴染みの無い単語であり、
まあ、困った人、貧乏な旅行者を助ける宿
みたいなもんだろうと思っていた。
1泊50ルピー(100円)という
安宿街では一番安いホテル。
「安宿街の側の雰囲気」
宿といっても、バストイレは当然の如く共同。
宿泊代は所謂「ベッド1台分の料金」というもの。
しかも、この宿、なんと「50人部屋」である。
これまで相部屋というものは経験しているけれど、
2段ベッドが4つの8人部屋が最大くらいで
あとは3人とか4人とかが通常。
ええい!怖いものみたさで泊まってやれ!
とばかりにチェックインをし、薄暗い
階段を登って2階の50人部屋に足を踏み入れてみる。
ガ・ガーン!
こ、これはヒドい。
ま、一言で言うなら
戦争映画でしか見たことないような
「野戦病院」の姿そのもの。
電気もままならないようなだだっ広い部屋に
パイプベッドがずらりと並び、土色をした
ペラッペラの毛布が各ベッドにあるだけ。
しかも、昼間だってのに、横たわって呻いている
旅人が数人。お医者さんも来ているベッドもある。
映画のセットに入り込んだような
不思議な気持ちで適当なベッドに
腰を下ろすニホンコン。
少し外の空気でも吸おうかと階段の踊り場に
出てみると、掲示板には溢れんばかりの張り紙。
その殆どが「MISSING !(ミッシング/尋ね人)」
というもので、要はインドに行ったまま帰ってこない
知人友人を探す張り紙がイッパイ。
大の大人ばかりの捜索願いには体格のいい男の人や、
旅慣れた人も居り、インドは、本当に気をつけなければ
ニホンコンみたいな小さな日本人はさらわれて
捨てられてしまう場所だと実感。
これにはかなり震え上がる。
やれやれ、大変なところに来てしまったものだ。
来週は、こんなインドの延長話をば。
「インドの街角」
3月28日 坂下日本/香港
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