第124回「緊急企画!〜開けてしまいました〜」
ニーハオ、ニホンコンです。
今回も引き続きLA旅行話を
しようと思ったのですが、
な、なんとあの前回お話した
クッサイ缶詰をあけてしまったので、
その報告を。
それは天気のよい週末のことでした。
秋晴れの中、私たちはバーベキューにお呼ばれし、
ここぞとばかりに「アノ缶詰=シュールストロミング」
を小脇に抱え、いそいそと出掛ける。
人も大勢集まり、皆好奇心いっぱいで
「ソノ缶詰」をしげしげと眺める。
ここまではニホンコンも少し人気者。
バーベキュー慣れした人々でなされる宴は本当に素敵で、
その素敵さは、仕込みからシメの豚汁まで
全て前夜のうちに済ませておくほど。
美味しい肉や魚も出て来る出て来る。
「サンマ、焼き過ぎかしら?でも極上」
「お肉は切ってサンドイッチにするのです、ツウ!」
そして宴も最高潮。
さ、ここで開封式といたしますか。
開封。
そりゃ持って来た張本人が開けなきゃイカンだろうが。
「久しぶりの登場。完全武装のニホンコン」
吹き出る中身を守るため、カッパを着、
臭いは「鼻」と「目」に来ることは
中国で経験済みとばかりに
サングラスとバンダナで目鼻を覆う。
そして、いざ開封。
「コワくて周りに誰も近づいて来ず、ひとりぼっちで開ける」
『プッッシューーー!!』
中のガスと一緒に吹き出る「シュールストロミング」
いや、こりゃただの「腐ったニシン」だ!!
ここで遅ればせながら気づいたのは、
防御するのは、衣服でも目鼻でもなんでもなく
「手」だった。
必要なのはカッパでもサングラスでもバンダナでもなく、
「ゴム手袋」だったのだ。
ガスとともに飛び散る腐ったニシン、
もとい、丁寧にいうシュールストロミングは
シューシュー音をあげながら
ニホンコンの手にかかるかかる。
その臭いたるや。
「下水」の臭いそのもの。
「臭さで倒れるニホンコン」
途中でアルジに変わってもらうが、その臭さと
なかなか開かない缶にイライラが募る。そういう時
ヒトは声が大きくなり、そして語気が強くなるんだと
妙に冷静に観察してみる。
この時点でモウモウと臭いを放つ「そのブツ」は
もう宴の輪にもからみつき、
口をヘの字に曲げた宴の人々が
白ーい目でニホンコンたちを見ていた。
そして肝心の中身は
ドロドロに溶けて無くなっていた。
本来ならば「腐ってもニシン」の
原型くらいは残っている筈なのだが、
発酵し過ぎたのか・・
缶についているアワアワのような
溶けた後をスプーンでこそげ、
それをパンに付けて食べることに。
「レシピ」
フランスパン:1キレ。バターを塗ってもマル
玉ねぎスライス:多ければ多いほどマル
酒:必須。赤ワインがベストだが、焼酎もヨイと判明。
シュールストロミング(泡):少々。
多ければ多いほど臭いと味は増します。
今回はこの日の主催者、「ガンちゃん」が
瞬間顔劇を披露してくれたので、それを紹介。
「なんだなんだ?」
「大丈夫かなあー」
「ヒャッ!やっぱクサい!」
「ええい!オレもオトコだ!食べてしまえ!」
「ヴヴーーーーッ!!」
「ハー。やっと飲み込んだ」
「ヴォエッ!」
ガンちゃん曰く「臭いも味もソノマンマ」とのこと。
ただ、全員がマズイマズイと言っているのではなく、
我が家のアルジだけはンマインマイといって
何切れも食べておりました。よって、
全くもってマズい食べ物というワケでもなく、
この味が好きな人もいるので、どうぞ誤解なく。
最後はガンちゃん家の手作りの「豚汁」。
あまりの美味しさにみんなでむさぼるように飲み、
終わりよければ全てヨシのバーベキューは笑顔で終了。
この日、「シュールストロミング」は
「スウェーデン ボム(爆弾)」と名付けられ、
楽しいバーベキューの空気に、その異臭は
気持ちのよい程、いや気持ちが悪くなるほど
溶け合っておりました。
ひとつだけ反省をするのであれば
「お呼ばれしたバーベキューに持って行くなよ!」
ということでした。
初対面の方が多いなか、こんな爆弾を放った
私たち夫婦は、次回の宴も呼んでもらえるのだろうか。
教訓:「開けるなら明確な意図のもと主催しろ」
ま、「あとの祭り」とは、こういうことなんですがね。
10月11日 坂下日本/香港
追伸:先週より友人から「家族旅行」は
一体どの家族なんだ?という質問が
複数寄せられましたので、今いちどご説明を。
家族旅行は、私とアルジの2人。
自ら「夫婦」というのも何かなとおもい。
「家族」の呼び方は紛らわしかったですかね。
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