ムトープレゼンツ「フチドル」
第38回 〜プレゼント〜
みなさんこんにちわー。お元気ですか?
大学時代、僕は主に本屋さんでバイトしてました。
あんまり働く意欲はないんですけど、
週3日くらい働いてました。
大学3年生くらいから1年間、港区芝浦にある小さな本屋さんに
お世話になったんですね。そこは小さいけれど、
ビジネス街なんで仕事帰りのお客さんが多く来て、すっごい忙しい本屋さんでした。
で、けっこう自分なりに頑張って働いていたんですね。
誕生日には店長さんが図書券をプレゼントしてくれたり、そりゃあもう、いいお店でした。
で、ある日店長さんが「ムトー君、昨日テレビを見たかい?」って言うんです。
「いいえ」と答えると、店長さんが前日に見たテレビの内容を話してくれました。
とある人気の食堂だったか、ラーメン屋さんだったかは、
大学生のバイトさんが何年間かバイトを続けると、店長さんが、
ご褒美としてオメガの時計をプレゼントする、という話でした。
その話しを聞かせてくれて店長はバックルームに戻りました。
「?」って思ったんですけど、次の瞬間「!!!!」と。
むふふ、といやらしい笑いが止まりませんでしたね。あの時は。
つまり、店長は僕が辞める時にオメガをプレゼントしてくれる、
ということなんだな、と理解しました。ふっふっふ。
店長さんはとても羽振りのいいおじさんで、
誕生日に図書券をくれたり、バイトさん全員連れて高い焼き肉屋さんに
連れてったりしてくれてたんで、
「ああ、ね、オメガもね、」っつう感じで妙に納得したんですよ。
で、時は流れて僕は大学の卒論で忙しくなることを口実にバイトを辞めることになります。
ずっとオメガさんのことは周りのひとたちには内緒にしていたんですが、
バイトを辞める前日に友人たちにお話しをしました。
「次に会う時僕の左手はまぶしく輝いてるよ」って。へへっ。
で、辞める日。最後なんで一生懸命働きました。
で、閉店時間になり店長さんに挨拶をしました。
「お世話になったね。がんばるんだよ。」みたいなことを優しく言われて、
店長はバックルームの店長の机の引き出しから小さな箱を取り出しました。
「!!!」わかってはいたんだけれど、心臓が止まりそうになったのを覚えています。
「マジで!オメガ!?」って。
自分の部屋にもどってゆっくりと小さな箱の包装をほどきました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
寝込みましたね。その日。
キーホルダーだったから。おじさんブランドの。
僕の腕にオメガが輝く日は来るのでしょうか。
プレゼントしてください。
あ、そうそう。
前回、かかし完成前
だったんですけど、完成しました。
道に背中を向ける予定が、スポンサーのおじさまの意向により前を向けることに・・・・・。
カツラをケチったので、金髪のヨン様になってしまいました・・・・・。
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