さんきち なぞ図書館
小僧の神様
みなさんこんにちは。
なぞ図書館です。
さて、まずは、ふとんのお話。
こないだ、雨に濡れじっとり重くなってしまった、
かわいそうな敷き布団の話をしましたが、
昨日無事、真っ白ふわふわになって我が家に戻ってまいりました!
ああ、よかったあ。
みなさま、布団が雨にどうしようもないほど濡れても、
そんなに慌てることはありません。
なんとかなることがわかったよ。
前回のときは、
「クリーニング代相当かかってしまうらしいよ。
往復の宅配代金含めると1万円くらいかかっちゃいそう。」
という情報で終わっていたかと思いますが、
その後日談がありまして、
次の日、その料金を聞いた大手のクリーニング屋ではなく、
商店街のちいさなふとん屋さんに行ってみたのです。
すると、いままで気づかなかったのですが、
入口のガラスの内側に、
「ふとん丸洗い。ふとんもたまには洗濯しましょう。」という旗が。
期待に胸をふくらませつつ、カラカラカラと扉をあけ、声をかけると、
「は〜い」と奥からかわいらしいお母さんがでてきました。
事情を話すと、
「それは大変!とりあえず干して、できるだけ乾かしておいてね。
カビがはえちゃったら大変だから。」とアドバイスを受け、
で、次の日の朝、私が会社に行く前に、
車でうちまで取りに来てくれることになりました。
布団受け取りと、できあがったときの配達は無料で、
まるごと水洗いクリーニング 敷布団 しめて2835円なり。
やす〜い。
それに、ふとん屋のおばさんもおじさんもとても親切で、
心があたたかくなりました。
困っているときの親切は身に沁みますな。
助かったあ。ほっとしたあ。ありがたやありがたや。
住むべきものは、親身になってくれる
小さな商店街のある町だわ!
さて、ということで、ふとんの話は終了。
今度、誰か布団干しっぱなしにしてて、
雨でびしょぬれになってしまったら
この話を思い出してみてください。
近所のちいさなふとん屋さんがおすすめです。
それでは、こっから、秋に読むのにぴったりの、すてきな本の話。
「小僧の神様」 志賀直哉著 岩波文庫 301円
大学生のころ、わたしは、
「志賀直哉みたいな人になりたい」と、
真剣に思っていました。
ほぼ毎日ふつうの感じで、「そうそう、ああいう人になろうっと」って。
そうだったなあ、懐かしいなあ。
でも目標とする人が志賀直哉だってのも、
ちょっと変わった女子大生だよなあと思いつつ、
志賀直哉の人柄のなににそんなに惹かれたのか、
再確認再確認と思って、
この本を手にとってパラパラ読んでみました。
短編だからあっという間に読んじゃって、
でも、読み終わってからも、じーんとしていた。
ほこりっぽい明るさが漂うというか、
変にさわやかな後味が残る。
「小僧の神様」の舞台は秋。
おいしそうな屋台の鮨がでてきて、
そして、最後にすこし胸が痛くなった。
あのねえ、読んだらね、
なんで志賀直哉がそんなに好きだか思い出したよ。
うううむ。でも、むずかしいなあ。言葉にするの。
なんて言ったらいいんだろう。
ええとね、志賀直哉の人柄に触れると、
「落ち着いて、よくものをみて、公明正大な気持ちで、生きていこう。」って思う。
志賀直哉は、ひとことで言うと、とても目のよい人。
視力ではなくてね、なんというかなあ、よく見えているんだ。
いろんなことが。
感情の変化だとか、矛盾とか、
人間のごまかした心とか、
そのごまかしの裏にある様々な感情の動きとか。
彼にごまかしは通用しない。自分のも、人のも。
だって、見えちゃってるんだもん。しっかり。
そんで、潔く、ごまかしなく、
感情に流されたら、流されてる自分もしっかり見据えつつ、
どどーんどどーんと歩いている気がする。
どんな説明だ。
意味わからんね。
まあ、いいや。
とにかく、この本、一読の価値ありよ〜。
よいよ。
それでは。
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