其の44「不安と逡巡」
3年半もの間住んでいた街から、引っ越す事にしました、れいじです。
元来、面倒臭がりな僕は、それをまさに体現する肉体を持っていますが、
大学の時、教室まで徒歩3分という驚異的な立地の寮に住んでいたのにも
かかわらず、出席日数が足らずに留年しかけた事があります。
うーん、我ながら自己嫌悪。
これではいかんと一念発起し、4年生の時は我ながら頑張って大学にいきました。
おかげさまで就職活動なんてものは、ほとんどすることもなく、夢のプー太郎に。
実家でプー生活という実に怠惰な生活を、就職氷河期を言い訳に1年もしていました。
うーん、我ながら親不孝。
そんな時、環境という奴は、強制的に変えてみるもんだよ。
これは自分が逡巡を繰り返している時には有効だと、教えてくれた漫画があります。
「イエスタデイをうたって」 冬目景 著
主人公はちょうど自堕落な僕と同じ、大学出たてのプー太郎、23歳。
自分が何者かも分からず、漠然とした不安と、自堕落な逡巡を繰り返す、23歳。
そんな主人公に片思いをする、高校を中退した、ちょっと変わった女の子。
奇抜な行動、突拍子も無い発言の裏には、彼女なりに素直に感情をあらわし、
彼女なりに後悔しない為の原理があります。
最低な主人公にも、もちろん彼なりの行動原理があり、上手く歯車が合わないだけ。
でも、一歩踏み出していく事で、少しづつ環境は変わっていく。よくも悪くも。
当時はあまりに痛々しくて、ちょっと読むのが恐いくらいでしたが、そこはそれ、
やはり何かに脱出の糸口を見つけたかった僕としては、夢中になって読みましたよ。
最近、仕事も一段落して時間に余裕も出てきた所で、ふと思うわけです。
あの頃と何が変わっているだろう。なりたい自分になっているだろうか。
やりたい事とやれる事の間で、自分なりの選択をしてきているだろうか。
うーん、我ながら蒼い。
きっと引っ越しをする事なんかも、自堕落に陥りやすい僕に対する、自分なりの
環境の強制変化の現れなんでしょう。
とりあえず一歩を踏み出してみる。そこから考える。それも一つのやり方。
不安と逡巡を繰り返している、蒼い人たちへ。
とりあえず、読んでみる所から踏み出してみるといいよ。
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