長い長いお産のはなし
「ニホンコンJr.「小奈(さな)
常に目が涙目でウマみたい」
現在は実家から母親が来ているのと、アルジの協力
により、炊事洗濯家事オヤジは全て任せっ放し。
ニホンコンはゴロゴロしながら
指図だけしており、割とパラダイス。
ジュニアは産まれ落ちて数日なので
日がな一日寝ているか、お腹が空くとか弱い声で
「ホゲッ、ホゲッ」と泣くくらい。
お世話はとてもシンプルで楽チン(今は)。
さて、ニホンコンの出産は、
かねてから希望していた「助産院」で
することができ、万歳三唱。
ただ、意外にも
「分娩時間『21時間3分』は気が遠くなる程長かった!」
ニホンコンは「ポーン!」と産む安産タイプと信じて
やまなかっただけにこの長丁場に我ながら驚く。
軽くその時のタイムテーブルを紹介
7月28日(出産前日)
10:00:助産院検診「6割熟してますねー、お産モードの
鍼灸をしてもらってはどうですか?」と言われる。
16:00:お産モード(要は「陣痛が来る針」を打ってもらう)で
鍼灸に臨む、これが熱いのなんの、イタイのなんのって!
17:00:鍼灸、非常ーーに効果アリ。終了後に
速攻陣痛が来てうなりながら歩いて帰宅。
18:00:アルジに会社を早退してもらい、お産に向けて準備。
20:00:ミュージックステーションを観ながらご飯。
レッチリの出演に大喜びのアルジを横目に、うなる。
ここから夜中の3時まで、不定期に来る陣痛の波に
耐えながら家でゴロゴロしながらうなる。
アルジ、ひたすら腰をさする。
7月29日(出産当日)
3:00:7分間隔の陣痛が来ているということで
タクシーで助産院へ。「明け方産まれるでしょう」と言われる。
6:00:相変わらず。
助産師さん「9時頃になるかしら?」と。
アルジ、ひたすら腰をさする。
9:00:「一向に変わらず」
助産師さん「午後ですかねー」と。
アルジ、ひたすら腰をさする。
12:00:鍼灸師さんが来る。
上手く体が緩まず、胎児が降りてこないらしく
腰に針を打ってもらう。
昼ご飯:助産院のご飯は美味しいと評判なのに
おにぎり1つしか食べられず。
残りをアルジがムシャムシャたいらげる。
「助産院のご飯、美味しい和食が続きました」
午後:スパルタ助産師さんから提案
(以下「ニ(ニホンコン)」「助(助産師さん)」
助「階段昇降をしましょう!」
ニ「冗談じゃないったら!寝ててもイタイっつーの(と、心の中)」
助「自分で回数を決めた方が頑張れますよ〜!」
ニ「んじゃ、一往復」
助「・・・・・・・」
ニ「分かりましたよ!んじゃ5往復!!(ヤケクソ)」
助「じゃあ終わったらゼリー食べましょうね〜」
(完全に食べ物で釣られているニホンコン)
この時、正気だったら助産師さんの横っ面を
ひっぱたいてやろうかと思ったくらい辛かった。
階段昇降の末、結果外に出され、100メートル先の
ちいさな公園まで歩かされる。辛さは涙モノ。
「次お産する前にはこの公園に家を建てて潰してやる!」と
妙な決心に燃えていたニホンコン。
「悪魔の階段」
15:00:階段昇降の効果がてきめんに現れ、
モード全開、さあ!赤ちゃんが降りてきますわよ!
なのだが、「な、なかなか降りてこない」
16:00:トイレに籠り、天井からぶら下がっている
縄に捕まりながら、手足に「一生分か!」と思われる
お灸を据える。アルジ、時折密室から聞こえる悲鳴に
心配なのか、様子を覗き来る。
17:00:トイレから出てきて「さあ!産むぞ!」体勢に。
なのだが、「な、なかなか降りてこない」
5分間隔で来る陣痛以外は割と普通なので
ベラベラ喋りまくるニホンコン。
(以下「ニ(ニホンコン)」「助(助産師さん)」
ニ「なんかイメージと違うんですけど」
助「何がですか?」
ニ「勉強会で見たビデオ(5人の出産シーンのビデオを見た)
では、みんなこの体勢から10分くらいで産まれてるんですが」
助「ああ、あの方たちも時間はかかってるんですよ、ただ
『編集の関係』で1人7分にまとめられてるんですよ」
ニ「き、聞いてない〜!あのビデオを元にお産をイメージして
来てるので、全然予想と違うんですが!!」
助「あら、そうですよね、これから先に皆さんに
伝えなくちゃ。『普通はもっとかかりますよ』って」
ニ「・・・・・・・・・」
時既に遅し。
かれこれ丸一日ウンウン言ってるってのに。
18:30:最終段階に突入
最後は直立の体勢で、後ろからアルジが支え、
上に引っ張り上げながら、ニホンコンが下に力を入れて
スクワット状態の出産。
(あまり上手く想像つかないかもしれませんが、
その後のアルジ談より「腰が砕けるかと思った」と。
そのくらい大変だった、と思って頂ければ)
分娩台がないってのは素敵なことなのですが、
自分が一番力が入りやすく、且つしっくり来る
ベストポジションが決まるまでが結構長かった。
ニ「ンンンンンウォウォウォウォウォ〜〜〜!!!!」
(声になってない声とは、こういうのを言うんだろう)
よく、お産は「鼻からスイカが出るような痛み」
と言いますが、いや、違うな。
一番近いのは
「鼻から『焼けた砲丸玉』が出てくるような痛み」
(男性諸君、出産未経験の方、スイマセン(がホントです)」
かくして長い長いお産物語は幕を閉じ、
無事玉のようにカワイイ赤ちゃん
(自分で言ってもいいものか?)が生まれました。
ここまで何事もなく健康妊婦で過ごし
最後も華麗にスッポーンと決めたかったというのに
最後の最後でけつまずいた自分に泣ける。
助産師さんは決して「難産」とは言わなかったけれど
退院時に頂いた言葉は、「長かったですが、産後の回復が
初産にしては驚異的に早く、そしてよいので
『結果安産』」
と。
終わりよければ全てよし、ということで。
「てんとう虫より小さなジュニア、
やっぱり乗るのは当分先のようです」
8月08日 坂下日本/香港
追伸:沢山のおめでとうメールを頂き、多謝!
ただ、ニホンコンのアップ以外殆ど電磁波に触れない毎日で、
お返事が遅くなりがちですが、どうぞお許しください。
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