第149回「インド旅話〜ガンジス河のほとり篇〜」
ニーハオ、ニホンコンです。
もう一度インドに行く機会があるのなら
絶対に訪れたい場所はココだ。
それは、ガンジス河のほとり、
バラナシという町
(人によってベナレスとかバラーナスとか言う)
「聖なる野牛、やたら態度がデカく、
道の真ん中を歩く」
いやもう、インドを凝縮したようなところ。
狭い路地に野牛はウロウロしているので、
夜は暗い細道で牛のウ◯コで滑るのが日課となり、
手をつかなければセーフの日々。
別段やることもないので、毎日ガンジス河の
ほとりをブラブラしているだけなのだけど。
面白いんですわ、ここが。
前回のカルカッタは排気ガスが凄くて、
ものの2日でノドを痛め、3日目に
逃げるようにここに来たのだが、
子供たちは気さくで「ピクチャー!」
(撮れ、という意)と追いかけて来るし、
大人もいかがわしいんだけど、憎めなくて楽しい。
ここで泊まった宿が、これまでの安宿ライフでは
最安+最低+最高に思い出に残るところだったかも。
「一番安い部屋を」
今思えば、こう言った私が
悪かったのかもしれないが。
なんと30ルピー(60円)で泊めてくれると
言うので、喜んでついて行くニホンコン。だが
「荷物はこの倉庫の中に入れて、貴重品だけ
持ってって」と言われる。
何だろうなと思いながらも、まあいいや、
カギ付きの倉庫で預かってくれるなら安心と
思っていたのも束の間。
連れて行かれたのはなんと
「屋上」
「これは昼間撮ったもの、昼間はステキなのだが」
しかも、その時はもう23時を過ぎていて、辺りは真っ暗。
「それじゃ、オヤスミナサイ」「ガチャガチャ」
な、なんだ!ガチャガチャって!
つまり、屋上に通じるドアに鍵を掛けられたワケだ。
侵入者防止?いやいやもう既にここは外なんだから
侵入者もへったくれもない。
灯りもないし、荷物もないので、ヒマになったニホンコンは
寝るよか他に方法もなく、ガッチガチのベッドに横たわり、
とっとと眠りについた。
筈だったのだが。
さ、寒い!寒すぎる!
たとえインドとはいえ、しかも河べりの町の
夜はさすがに冷える。こんなところに寝かされるとは
微塵も思わなかったニホンコン、フリースもあったかい
セーターも全てあの倉庫の荷物に入れてきてしまった。
「くそー、イヤだなこんなところで朝死んでるのなんて・・」
とぼんやり思いながらも方法を考えていると、
他にも同じようなベッドが4〜5台くらい。
しかもそのうち3台は空のベッド。
ここぞとばかりにペラペラの毛布やら枕やらを
奪い、覆えるだけ体を覆い、なんとか
我慢できる程度で不愉快ながらも眠りにつく。
これで快適かと思ったらば。
まだ空が白いド早朝の時間、妙に周りが騒々しい
ことに気づくニホンコン。もう誰かが起きてきているの
かと思いながらも、人の気配がしないのもオカシイ。
薄目を明けて辺りを見回すと・・
「サルの大群」がニホンコンのベッドの周りを
グルグル回っているではないか!
おぼろげな頭で「そうそう『地球の歩き方』に
バラナシのサルは凶暴なので気をつけて・・」って凶暴?!
確か髪の毛を抜かれるとか、手荷物をひったくられるとか
悪どい奴らだということが書かれていたのだ。
幸いなんだか不幸なんだか、持ってる荷物は皆無なので
取りあえず我が身を守るべく、ペラペラの毛布に顔をうずめ、
奴らの運動会が終わるのをじっと待っていた。
要は追いかけっこをして遊んでいるサルなのだが、
野生のサルが自分の周りをぐるぐるするのは
あまり気持ちの良いものではない。
時に勇敢なんだか無礼極まりないサルが、ニホンコンの
布団を横切り、お腹を踏んづけて行ったりするのだ。
この屋上の安宿(というか安ベッド)生活は、
1日で終わり、とっとと倍くらい払って(といっても100円強)
屋根のある部屋に入れて貰ったのでありました。
やれやれ、貧乏な旅は苦労と変な思い出だらけです。
「Ganga=ガンジス河という意味」
余談ではありますが、これはバラナシで一番安いミネラルウォ−ター。
気に入って飲んでいたら、インド人に『それ、ガンガーの水だよ』と
言われ、慌てて辞めた。インドには沢山ミネラルウォーターが
あるのだが、安心して飲めるのは2ブランドくらいしか無いらしい。
しかも、その水も、その日に飲まないと翌日ボウフラが湧くという。
4月04日 坂下日本/香港
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