第111回「のんびりするということ」


先日は笑い道の千田なつみ女史の夢に出て来たというニホンコンです。

嬉しいですね、嬉しいですね。
人の夢にまで図々しく参加できるなんて。

さてさて、ニホンコンの一人旅。
そう毎回ネタがあるかといわれると
毎回ネタはあるのだけれど、今日は箸休めデー。

別に毎日こんなにうひゃー!とかなったり
コソコソビーチを走り回ってるワケではありません。

今回はのんびりする為に旅に出たのですが
これが結構難しかった、という話。

旅行というと、その土地に赴いて
何かを見たり聞いたり食したりすること
くらいしかしたことがなかったニホンコン。

「何もしない旅」なんてのは
一見簡単そうで実は大変だということに気づく。

普段口癖のように「忙しい」と発していた香港時代。
そんな毎日を3年ほど過ごし、イキナリたどり着いた南の島。

最初は戸惑い、そして浮かれ、
「水着買わなきゃ!写真撮らなきゃ!」と
「何かをすること」を取り憑かれたように追い求める日々。

んで、ハタと気づく。
何をしに来てんだ?と。
忙しかった毎日を離れてノンビリすることが
目的だったのに、タイに来て出てから、
バタバタと走り回っているだけの自分に情けなくなる。

のんびりせねば、と
変なのだが少し来合いを入れる。

「心ゆくまで」という言葉は
ニホンコンの憧れの言葉。

忙しくて余裕がなかったのと、
持って生まれたものなのかもしれないけど、
同じことを3回するなら、
3つのことを1回ずつしたいと思う習性。

でも、ここ旅では
「好きなことを好きなだけできる」という
ものすごいスケールの自由がある。

当初掲げた旅のテーマは
一度やってみたかった「無駄に旅すること」
ニホンコンの「無駄な旅」の解釈は、
「湯水のようにダバダバと時間を使うこと」だった。

最初はオロオロしたものの、
取りあえずビーチを目の前にして
バンガローのベランダで半日以上グウグウ寝てみたり、
村上春樹の「スプートニクの恋人」を3回も読んでみたり
ものすごい長文の手紙を書いてみたりした。

そして日がな一日ありもしない「もしも」話に
ひとり心躍せてはしゃいだりもした。

これは5年前の話。
今でも1人で旅をする時には
飛行機で1時間で行けるところを電車で30時間で行くとか、
1日掛けて隣町の市場に行くだけの日があるとか、
とにかく時間ばかりかける旅をしている。

この旅でそんな1歩を踏み出したような気がします。

ただ、一歩を踏み出しすぎて、
この先1ヶ月くらい、インド〜ネパールに入るまで
ずっと昼寝をし続ける毎日だったりするのだが。

この話はまた今度。



7月12日 坂下日本/香港


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