さんきち なぞ図書館
爆笑 夫婦問題
最近、爆笑問題の太田が気になっている。
ふたりのうちの、あののっぽの方。
・・・という書き出しだと、「笑い道」みたいだな。
ええと、気になってから後、
こないだ、筑紫哲也と爆笑問題が
ブッシュ大統領についての番組をやっていた。
番組タイトルは・・・
「ブッシュの7つの謎」だったかな?(うろ覚え)
スタジオには、親ブッシュ派と反ブッシュ派が並び、
正面真ん中に、司会の筑紫さんと爆笑問題。
それを見ていてなにより感心したのは、
太田の手腕である。
(口調まで「笑い道」みたいになってきた!)
政治的な番組なので、
人々はそれぞれの意見を言っているうちに熱くなってくる。
意見している最中に、反対意見を覆いかぶせたり、
それでムッとして意地になって、
だんだん論点が外れて支離滅裂になってきたり。
まあ、こういう番組でよく見る光景。
解決策を話し合うのではなく、
お互いの意見をバーンと出し合うだけだから。
しかし、この番組はいつものそういった番組と
ちょっと違っていた。
いったんヒートアップしても、
みんながちゃんと冷静さを取り戻すのだ。
それは、なぜか。
それは、そこに太田がはさまるからなのでした。
見ていて、ちょっとハラハラするような
逆ギレがはじまった直後などに、
太田が飄々と、的確?な、
冗談やギャグなどできりもりしていくのだ。
太田のコメントで、
場の雰囲気がぱっと変わってやわらぎ、
今までムキになっていた人も、
そのユーモアにおもわず笑みをもらす。
そこで、落ち着いてまた議論がはじまるのだ。
彼は、場の雰囲気を完全にコントロールしていた。
自分でその議論の中に加わって、意見をしたりしながら、
(それが、結構ははあと思うようなことを言う)
ぱっと、とんでもないところから冗談を言う。
思いもよらぬ角度から、おかしな発想がぽんと出てくる。
ううむ。冴えてるなあ。
となんだか、感心してみていた。
ユーモアには力がある。
どんな堅物も、相手の冗談に思わずくすりと笑ってしまったら、
距離が近くなるもの。
お笑いの人って、頭がいいなあ。
というか、太田って頭がいいなあ。
(きっとこの太田を活かしているのが、
相方の小さい方の田中なのだろう。
お笑い詳しくないんだけれど、笑い道でちょっと勉強。)
そして、この番組をみていて、
その太田の手腕と同時に、
もうひとつわたしが感心したものがあります。
それは、太田の顔つき。
彼はとてもいい顔をしていた。
賢く、精悍な顔。
自信を持った落ち着いた顔。
ううむ。ちょっと違うかな。
まあ、いいや。
まあとにかく、とっても「いい顔」をしていたのさ、彼は。
で、この太田の顔つきをみて、
「やっぱりなあ」と思ったのです。
やっぱり、こういう顔になるんだなあ。
自分の力を心底信じてくれて、
自分を心底尊敬してくれている妻のいる男の人は。
「爆笑 夫婦問題」太田光代著 幻冬舎文庫
(カバーがどっかいっちゃったから値段分からず)
この本、表紙が夫婦の似顔絵で、
ものすごく強烈だったから写真載せたかったのに、
カバーどっかいっちゃった!
表紙の気になる方は、本のサイトなどでみてみてくださいませ。
ごめんよ。
この本をどうして知ったかというと、
今年のお正月実家にいったときに、
トイレで見かけたのです。
漫画だとか数冊の文庫本だとかが重なる中、
「なんじゃこりゃ」と手に取ったのが、この本でした。
だって、表紙が強烈だったし、タイトルもちょっと・・・。
そんで大晦日の夜、この本を寝床に持っていって、
読み始めたらさあ大変。
夜中の3時くらいまで起きてたかなあ。
結局最後まで一気に読んでしまった。
この本はね、太田の妻の光代さんが、
太田と出会ったいきさつから、現在に至るまでの
話を書いた本。
・・・と書くと、普通でしょ?
これがねえ、全然普通じゃないんだなあ。
すごいんだから!
妻も夫もどっちも!
すごい個性なんだから!
ありえないくらい。
以前紹介した「君についていこう」という本で、
宇宙飛行士の向井千秋さんと旦那さんのマキオちゃんの
ふたりにも感じたことだけれど、
この人には、この人しかいないなあ。
この人は、この人と出会うために生まれてきたんじゃないかなあ
と思うくらい絶妙の組み合わせっていうのがあって、
この太田夫妻にもそれを感じたよ。
太田の奥さんがねえ、すごい人なんだよなあ。
もうエピソードがいちいちとんでもなくて、
どっから話していいかわからないや。
とにかくまっすぐで、
(なんとほんとに嘘をついたことがない)
純粋で、一生懸命で、破天荒な人。
この本は5年前くらいに書かれていて、
当時彼女は36歳くらいなはずだが、
「私は木登りが大好きで、よく散歩中木登りをして、
頂上で一服していると、下から夫が声をかけてくれます」
なんて言ってんだもの。
でもって、ほぼ失業中の爆笑問題がみていられなくなって、
「タイタン」という芸能事務所をたちあげてしまった人。
(現在も女社長)
ふたりして、本気になってうちでかくれんぼしたり。
3日間に一度は喧嘩をして、
たまに奥さんが夫に蹴りを食らわせたり、
ああ、これじゃ、子供みたいに思われてしまう。
子供みたいに純粋な大人が、
出会って一緒になって、
ひとりじゃ生まれないようなパワーを出して、
お互いを支えあって生きているって感じかな。
笑ったり、びっくりしたり、感動しながら読んで、
次の日(元旦か)、母に、
「いやあ、これ面白かったあ。全部読んじゃった。」
と言ったら
「あのふたり、ラブラブでしょ。」と一言。
ううむ。そんな簡単に・・・。
でも確かにそのとおりか。
この変わり者夫婦のラブラブぶりは、
ちょっと考えさせられたよ。
とても面白かった。
なんだか、キレイな心の大人たちだなあ。
この奥さんの存在に支えられて、
太田のあの顔つきがあるのだとわかりました。
以上。
おやすみ。
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