ムトープレゼンツ「フチドル」
第42回〜151A〜


どうも、こんにちわ。ムトーです。
すっかり正月気分も抜けて、さらに気が抜けています。どうしょーもない。

「たった一度きりの人生」ということを考えるようになりました。
好きなことをしないともったいないなあ、と。よく言われることですけども。
そう痛感しています。
素敵な人と出逢ったとき、その人に声をかけるかどうか、
というのはとても大きな違いがある、と思います、この頃。
去年のこと、素敵な人に出遭いました。出会い、というよりは、遭遇です。
大分市の駅の近くの地下道で絵を書く人です。
地下道の通路の両方のカベに数十点の絵を並べています。
うーん、そこで、絵を描いてそれを並べているのか、絵を展示して、
その間に絵を描いているのかは定かではないですし、聞こうとも思いません。
初めて出逢った日、友人と二人で、地下道のギャラリーを本当に楽しみました。
だから、「楽しかったです」とその画家さんに告げると、
「僕も楽しかったです。こっそりあなたたちを観察していました。」と彼は言いました。初対面だけれど、絵を介して楽しさを共有できた感じがしました。
あんま言葉が重要でない空間。僕が、友人と話したのは、
路上で絵を描いている人の作品に関してある種のマイナスの先入観を抱いていた、
ということです。路上で絵や、詩をかく人を見かけると、
パフォーマンスありきな感じを受けていました。作品が伝わらない感じです。
でも、彼絵は違いました。こんな人が、地下道で描くんだ、と、
不思議な感じを受けました。
だから、2度目は僕から会いに行きました。そして、その若い画家さんに、
この素人が感じたことを全て話しました。
「失礼だとは思いますが」と言って。
まず、路上で描く人に対して抱いていた先入
観のこと。
そして、とても動物的だと感じたこと。
「絵だけで勝負していく」と、彼は言っていました。
若い画家さんです。僕なんて素人だから、
僕がなんと言おうと何の影響も無いとは思うけれど、万一、
僕に評価されることがマイナスの方向に響くと不本意なので、
お名前などは紹介しないことにします。けれど、近いうちきっと有名になるな。
自分のることに対する自信と、謙虚さを持った人はとても素敵で、
応援したくなります。だから、その一度の出逢いを大切にしました。

路上ででも描きたい、路上ででも歌いたい、踊りたい。
とても野生的だと思うんです。
きっと、絵筆を持つために、関節が自由に動くようになり、きっと歌を歌うために、
声帯が変化した。そんな気さえしてきました。
進化はきっとエゴから生まれるんですね。絵を描き、歌を歌う動物。
感動する動物。人間。

全てはエゴだと思います。
以前も書いたけれど、優しいひとのエゴは世の中を幸せにするはずです。

先日、北海道から大分に遊びに来た女の子に、
「ロハス」という言葉を教えてもら
いました。
ちょうど、優しいひとのエゴは世の中を幸せにする、
ということを考えていた頃でした。受け売りで、しかも、
その話を聞いたあとに確認もし
ていないので、定かではありません。
けれど、「ロハス」とはこういうことだと理解しました。
間違っていたらごめんなさい。「エゴがエコ」ということ。
人間が本当に、感覚を
解き放って、細胞の中の中が欲するようなものを食べ、欲するように生活したら、
それはきっと環境に優しいことだ、ということ。
人間という自然の生き物の体が本当に欲するものは、人間や、
その人間の暮らす自然に優しいものだ、という考え方。
じゃない?ちょっと共感したので書いてみました。

僕は最近ビデオやDVDをレンタルして映画を観ています。
時間があれば借りて観ている、といった感じです。
最近、やっと映画を観れる体になって来た気がします。
僕は子どもの頃、あまり、テレビやマンガに触れて来なかったために、
それらを鑑賞する術を得て来ませんでした。
僕はマンガ喫茶に入っても、何も読まないで帰ることがしばしばです。
マンガの世界っていう大なわとびに入れないでタイミングをずっとはかっているうちに
日が暮れる感じかなあ。マンガを読む体にフォーマットされていないんだと思います。
これは親がマンガを与えてくれなかったことが大きいです。
ただ、漠然と、「マンガが読みたい」という気持ちはあったのを覚えています。
6歳になったばかりの頃、病気で入院したんです。
同じ病院に近所のお兄さんが入院してきました。
僕が先に退院したので、そのお兄さんへのお見舞いという
ことで、彼が欲しがっていた「キン肉マン」というマンガの13巻を、
父と一緒に買いに行きました。
今思えば、きっとその時13巻が最新巻だったのでしょう。
その日、父は、僕の病気がよくなって退院できたご褒美として
「マンガを買ってもいい」と言ってくれました。
その時僕が買ったのはね、キン肉マンの7巻です。
マンガを読んだことがなかったので、1巻から始まるというのを知らなかったんです。
確か好きな表紙の巻を選んだんだと思います。
そういう感じで育ったので、あまりマンガを読むのが得意ではありません。
読むのが得意ではないというよりは、読み始めるのが得意でないんです。
だから、なかなか新しいマンガを読みはじめられない。
多分、僕これまで100本もマンガ読んでないんじゃないかなあ。
100巻は読んでると思うけど。あ、読んでる読んでる。
100巻は軽く読んでる。
高校生の頃、友人に借りて読みはじめた「美味しんぼ」が今90巻まで出てるから、
あと、「ドカベン」を足すと確実に100巻は超えるなあ。
うーん、結構読んでるなあ。
ちなみに今、読んでいるのはその高校時代からの「美味しんぼ」と、
「シガテラ」という古谷実さんが書いてるマンガです。
マンガを読み始めるのに「エイヤ!」と気合いをいれなければなりません。
「〜なければならない」みたいに思いながらマンガを読む人は
あんまりいないと思いますが。
多分、僕にマンガを借りたことのある人はいないと思います。
あ、そうそう、で、それは映画とかも一緒で、
映画はちょくちょく連れてってもらったりはしてたんだけれど
アニメやドラマを見せてもらえなかったから、
映像のストーリーの中に入り込めなかったんです。
よっぽど、自分好みの映画でないと。
だからずっと映画も気合いを入れてからでないと観れなかったんです。

けれど、最近、頻繁にビデオを借りて観るようになって、
映画を観るフォーマットが完了した気がします。
僕がなぜ頻繁にレンタルビデオ屋さんに通うようになったかというと、
英語がキチンと喋れるようになりたいからです。
だから基本的に英語圏産の映画を観ています。
日本語字幕を観て気になった表現が聴き取れなかったら巻き戻して確認する、
ということをやっています。ま、そういうきっかけで始めたんですが、
映画を観るのが楽しくなりました。
で、この間、借りたかったけど、
ずっと貸し出し中だった作品をやっと借りることができました。
SMAPの草?剛さん主演の「ホテルビーナス」です。いやあ、よかったです。
あり得ない設定の映画です。
けれど、色の少ない、青みがかった挿絵の絵本を観るような気持ちで観ました。
素敵な映画でした。

さっき子どもの頃の話を書いたので、ついでに思い出話を。
少し季節が過ぎてしまったけれど、
僕はずっとファミコンが欲しくてサンタさんにいつも
「ファミコンをください。おねがいします。」とクリスマスに手紙を書いていました。
でも、それはいつも叶わず、12月25日の朝枕元に置いてあるのは
ジグゾーパズルだったり、なぜかやってもいない剣道の竹刀だったりしました。
もう、友人たちに持っていない人は一人もいないくらいの普及率だった
ファミコンを僕はずっと手にいれたかったのです。
サンタクロースの正体を知ったムトー少年はある秘策を思い付きました。
サンタへの手紙にファミコンが買えるだけの現金をはさんだのです。
多分サンタにワイロを送った初めての子どもです。
貯めてきたお年玉をそこで利用してみたのです。
でも、お金とかの問題ではなかったようで、ウチのサンタはその年も結局、
夢を叶えてくれませんでした。小学校6年の正月、
勇気をだして年を越したサンタクロースに「ファミコンを買ってもいいですか?」と
聞きました。親はきっと僕が初めてみせた執着心に折れたのか、
「いいよ」と言ってくれたのです。もううれしくてうれしくて。
で、買いました。ファミコン。
でも、条件が付きました。「1週間に1時間だけ」って。
「1日1時間」じゃないんですよ。1週間に1時間ですよ。
もう、ゲームが1ヶ月たっても進まない進まない。
上手くならないまま止めて、1週間ブランクがあるから
ゼロからのスタートでちっとも上達しない。
ファミコン買って2ヶ月くらいたった時かな、馬鹿らしくなって、
それっきり止めました。

いやあ、なんか沢山のとても大切なものを得ることなく
大人になってしまった気がするなあ。
今、そういう欠落した部分を取り戻すべく、映画をムサボっている感じかなあ。



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