さんきち なぞ図書館
絵本の選び方
地下鉄の駅に置いてある、「メトロポリターナ」
っていうフリーペーパーがあってね、
それのこないだの号の特集が、
「クリスマスに絵本を贈る」
だったのです。
おお、いーねー。
と思ってね、こないだから、
近所にある子供の本専門の古本屋さんやら、
パルコブックセンターの児童書コーナーやらに入り浸って、
絵本をうーんうーんといいながら選んでいたのです。
いやあ、児童書の棚って、宝の山だねえ。
興奮して息が苦しくなる。
さて、で、その絵本、誰にプレゼントするかっていうと、
前になぞ図書館でも書きましたが、
今年の夏に父が再婚しまして、
なんと!!
わたくしに新たに小学生の弟と妹ができたのです。
ふふふふふ。
(余談ですが、わたしはもともと4人兄弟の一番上なので、
なんと一気に、6人兄弟の一番上になってしまったのでした。
すごい。まさにスペシャル長女だ。)
で、その新弟妹に、おっもしろい絵本をプレゼントしようと思うのだけど、
これが結構むずかしい。
子供の頃、毎晩親に絵本を読んでもらっていたり、
大きくなってからは、わたしがかわりに兄弟に読んでやったりしたけれど、
数ある絵本の中でも、
みんなに人気の本っていうのが必ずでてくるんだよね。
みんながその本がすごく好きなの。
そんで、「読んでくれ頻度」もすごく高くなる。
それは、なぜか。
どんな本が人気が出るのか。
自分の子供の頃好きだった絵本、
気に入って、なんどもなんども読んで、
絵とか細部までじっく〜り眺めまくった本を思い出すと、
ちょっとそこには、子供独特の好きのなり方があって、
大人の絵本の選び方をしちゃ間違うぞ
っていうような気がするのです。
たとえば、絵がすごく素敵とか、
センスがいいとか、かわいらしいとか、洒落ているとか、
色合いがよいとか、装丁が凝ってるとか・・・
大人になった今ならちょっと引きがある、
そういう魅力とは、ちょっと違うような気がするんだよなあ。
子供の気に入り方って。
だから、子供の視線で絵本を選ばなければ・・・と思い、
本屋で手探りで選んでみました。
単純明快、子供の視点で絵本を見て、
読みたくなるか。
そんで一回読んだ後、またあとで繰り返し読みたくなるか。
でね、まずはリハビリで、
本屋で発見した、自分が子供の頃大好きだった、
面白かった絵本を手にとって見て、
(要するに我が家の人気本)
読んでみた。
だって、それらは明らかに子供たちが、
「読んでみたくなって、繰り返し読んで、
大好きだった本」だから。
そしたら、なんとなく、ひとつだけは共通点を見つけました。
それは、文のテンポのよさ。
言葉のリズムのよさっていうのかなあ。
やっぱり、声に出して読むものだから、
その文章の語りのリズムにのって、
ぐんぐん話しに惹きつけられてゆくというのがあると思う。
怒涛のように進んでゆくとか、
リズムにのってわくわくしてくるとか、
しっとり落ち着いてくるとかね。
雪国で囲炉裏に子供が集まってきて、
「昔話してよー」って、みんながお話をせがむ
話の上手なおばあさんなんかは、
この独特の語りのリズムがあったんじゃないかなあ。
この言葉のてんぽというのは、気がついた。
あと、絵はねえ。
むずかしいけど、やっぱりなんか子供が好きになってしまう絵本の絵に共通点が
「ある」ような気がするんだけど、言葉で説明がつかないや。
好きになるのに、芸術性の高さとか、そういうの、
あんまり関係ない気がするんだよな。
下手でもうまくてもいいし、
色もカラフルでもモノクロでもいいし、
ふざけててもまじめでもいい。
ただ、愛嬌があるっていうのかなあ。
絵に、「面白さ」がある気がする。
笑える面白さだけじゃなくて、
なんか、「興味深い」っていうのかなあ。
物語があるっていうかなあ。
ほんと、説明つかないや。
あとね、これは私だけかもしれないけど、
こわそうな話はいや。暗いのもいや。
だって、夜寝る前に読むもんだったから、
怖い夢みそうなんだもん。
みんなはどんな絵本がすきだったんだろ。
覚えているかな?
さて、今回はクリスマスにプレゼントする絵本の中から、
選りすぐりの2冊を紹介。
どっちも、むかし子供を夢中にさせて、
なんどもなんども繰り返し読まれた、
スペシャルな名作絵本です。
「おおきな きが ほしい」 ぶん:さとうさとる え:むらかみつとむ 偕成社
「せんたくかあちゃん」 さとうわきこ さく・え 福音館書店
なぞ図書館司書 さんきち
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