1週間のごぶさた、今週のbouncyです。

10月1日、僕の生き方に大きな影響を与えた人物が逝去されました。
姫神、こと星吉昭氏。享年58歳、まだ早すぎます、もっともっとたくさんの
すばらしい音楽を聴かせて欲しかった。
長年、東北の民族音楽を研究し、表現して来た彼の音楽は、
ついには東北、日本を超え世界的な評価を得るまでのすばらしいものへと
なっていました。

その音は、1小節聴けば、彼の見せたい、東北の美しさや、ダイナミックさが
匂いと、温度と、光と共に僕たちの周りを包み込むほどのすばらしいものでした。

思えば僕のアンビエントミュージックの入り口は、10歳の時に観た
東北博での彼のライブだったと思う。
美しい光とともに演奏された彼の音楽を、僕は今でもしっかり覚えている。
とても、とても感動した事を、しっかりと覚えている。

同じ故郷を持ち、そして、岩手県での活動をストイックに貫き、世界から
注目される人物になった彼は、僕の目標とする人物であり、尊敬する人物です。

もっと聴きたかった。もっと聴かせて欲しかった。
とても残念です。

今後は息子さんが姫神の名を継ぐそうです。期待しています。


では今週は姫神から1枚紹介します


神々の詩/姫神

tbsで放送されていた歴史番組のオープニングで使用されていた
この曲は、それまで以上に彼の名を日本中に、そして世界中に
知らせるきっかけとなった。

縄文語という言語で書かれたこの曲は、言語表現と言う枠を超え
音によって表現出来る世界を、最大限に僕たちに教えてくれた作品だと思う。
インスト曲が多い姫神作品ですが、声と言う楽器を入れる事により、
そして、縄文語という言語を使い、ブルガリアの手法で歌う事により、
その時代の、ダイナミックさと、文化の匂い、
そして人間の存在の温度を伝えてくれた。

この曲を聴いた時、僕はとても嬉しかった。なぜだか、僕の生まれ育った土地の
歴史を感じ取れて、そしてその風景には、伸びやかに暮らす人々の顔が見えたから。

こんな音楽は、きっと岩手の土地だから、出来たんだと僕は思う。
美しい自然、昔から続く伝統、祭りのダイナミックさと、緩やかに流れる時間が、
星さんに、伝えてくれと、頼んだのだろう。

そんな美しい音楽です。ぜひ聴いてみてください。

Yasuhiro Chida Presents [ bouncy ]
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