「大人」と「子供」の定義なんて知らないが、
いくつになっても好きなものに夢中になれるのってカッチョイイと思う。
それがたとえ周囲から見て異様だとしても。
先日「ゼブラーマン」のDVDを借りてみた。
その日は宮藤官九郎特集と題して「ゼブラーマン」と「ドラックストアガール」
を立て続けに2本観覧したが、私はだんぜん「ゼブラーマン」派である。
なんというか、くだらない中にも哀愁がただよっており、
中年男性の純粋さに妙に心を打たれたのである。
哀川翔の「哀」は哀愁の「哀」である。
なるほど。彼の背中には、確かに翔にしか出せない哀愁がただよいまくっていた。
主人公の市川新市(哀川翔)はいまいちパッとしない小学校教師。
子供の頃にテレビで見た戦隊ヒーロー「ゼブラーマン」に憧れて、自作の衣装を身にまとい、
部屋にこもってはポーズをきめるのが趣味である。
そんな彼が、ある日突然本物のゼブラーマンとなり、悪と戦うという
なんともバカバカしい話である。
バカバカしいのだが、泣けるのである。
それは主人公が本当にひたむきだからなのではないだろうか。
ひたむきにゼブラーマンを愛し、そして自分の愛したゼブラーマンを守る為に
ひたむきに努力する。
「俺の背中に立つんじゃねぇ!!」
いつも鏡ごしに練習していたセリフが現実になった時、
「カッチョイイ!!」と思わず叫んでしまったのは私だけだろうか。
くだらないけど、おもしろい! そんな作品である。
最後に、鈴木京香のバカにした演技が最高に良かった。
ああいう役をやらせたら、彼女の右に出るものはいないと思う。
さんざん翔を持ち上げておいてなんだが、
この作品の一番の見所は、「家で宇宙人に遭遇した時の鈴木京香のリアクション」であると思う。
では、また次回。
千田なつみ Presents [ 笑い道]
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