先日京都に行き、出た結論が「間」である。
万物の美とは、いかにして「間」を作るか。
ごちゃごちゃと飾る事ならいくらでもできる、と夫はいう。
余計な装飾を取り外し、シンプルになったときに美しい物が本物だ、と。
遠回しに厚化粧を批判されているような気もしたが、ここはシンプルに受け止めよう。
確かに、絶妙な「間」で作られているものは美しい。
音楽でも、美術でも、もちろん笑いでも。

「笑い道」とはまさに「間」なのである。
1から10まで詳しく説明するのではなく、想像力を刺激するキーワードを
いかに絶妙な「間」で発せられるか。
それはストップウォッチで計れるものではなく、決められた法則もない。
芸人自信が体で憶えた「間」のみで、それがまさに実力なのである。

「想像力を刺激するキーワード」という点で、ラーメンズは特に優れていると思う。
余計な言葉を省き、実にシンプルに表現する。
そのヒントを客が汲み取り、笑いに繋がる。
最新作の「STUDY」に入っている「QA]のコントは、その「間」がとてもよく表現されていると思う。
淡々とテンポ良く展開される「Q」と「A」は、言葉と感覚を巧みに遊んでいて、実に爽快なコントだ。
これぞ!ラーメンズ!!である。
相変わらずメディアにはあまり登場しない彼らだが、ファンは多い。
今後どのような方向に進んで行くのか注目である。

千田なつみ Presents [ 笑い道]
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