
朝6時頃起床。昨夜は遅くまで旅の支度をしていた。3時間ほどしか寝ていない。
朝食に昨夜食べれなかった苺のショートケーキをひとつずつ食べ、荷物をまとめ、しっかり戸締りをして、さあ出発!
昨夜あまり寝ていないのと、やっとこの日がやってきた嬉しさと私は朝からかなり興奮していた。行きの電車の中で、恐ろしいほどによく喋っていた(らしい)。歯止めがきかず暴走していた。ダンナは私の様子を見て、先行きが心配になったらしい。隣には私たちと同じ興奮ぎみの奥さんと、その話を聞かず口を真一文字に閉め腕を組んで寝ている(完全なる無視体制)のだんなさんの夫婦がいた。それを見て私たちはまるで自分達の20年後を見ているようで、他人事には思えず、思わず吹き出してしまった。
そうこうしているうちに、成田空港へ到着。私は成田は初めて。諸手続きを済ませ、ひと息ついておなかが減ったので、飛行機を見ながらうどんを食べた。それからさっさと出国手続きしてしまうことにした。私のベルトが金属探知機にひっかかり、ずれるブカブカのズボンを両手で押さえながら持ち物検査を通過した。恥ずかしさで顔が真っ赤だったらしい。ダンナはそんな私を見て嬉しそうだった。あっという間にフライト時間。パリまで12時間、私は8時間以上のフライトを体験したことがないので耐えられるかどうか心配。寝て、機内食食べて、映画見て、寝て、また映画見てもまだまだ着かず・・・・本を読み、寝て食べて寝て過ごす。ダンナが「食うぞ!」と楽しみにしてた飛行機での夜食のカップヌードルは結局食べなかった。これからおいしいものがたくさん待っているのですから!!予定より50分ほど早く、パリ シャルル・ド・ゴール空港へ到着。
この旅は全くの自由旅行なので、全てのことを自分たちでしなければならない。とりあえず、ホテルのあるパリ市内へ電車で向かうことに。「任せとけ!」と言っていたダンナだったが、早速、チケットの買い方が分からず固まってしまった。仕方なく私がチケットカウンターらしきところへ。簡単に購入できた。ダンナ、今度は改札にひっかかる。そしてまたもや固まってしまった。どうやら改札が壊れているらしく強行突破した(みんなしていた)。こんな調子でこれからどうなることやら・・・・ちょっと心配。まずは親切な人に教えてもらい、何とかパリ市内行き電車に乗れた。車窓からはまさにヨーロッパの家々が。車内ではいきなりアコーディオンの生演奏が始まり、「ここはフランスですよー!」と無理やり納得させられたような気がした。でもいまいち実感がない。夢の中のようだ。
無事目的地に着き、地下鉄の出口を出ると目の前にノートルダム寺院がドーンと現れた。思わず見とれてしまったが、それでもまだ実感がなく、夢の中の光景のような気がする。とりあえず、荷物を置いてまたすぐ来ようということになりホテルを探す。案外スムーズにホテルは見つかった。私たちが泊ったのは比較的パリ中心のカルチェ・ラタン(5区)にある格安ホテル。インターネットで予約済。周辺には大学とエスニックレストランが多い。少々趣味は悪いがふつうのところ。部屋は2F。受付の人がとてもお喋りで、受付に行く度にそのお喋りに捕まって時間をとられてしまう。もう夜なのに外がまだ明るいので、「日没は何時頃ですか?」と尋ねるたところ、「ノーアイデア!」「そんなもの太陽に聞かないとわからないよ。」みたいなことを言われた。どうして教えてくらないのか?
日が長いことに得した気分で、すっかり嬉しくなり、旅の疲れなど忘れて、初日からついついうろうろしてしまった。まずはホテルから歩いてすぐのノートルダム寺院に向かう。時間が遅かったので寺院の中には入れなかったが、「すごいなぁ・・・。」と言いながら写真を撮ったり、前の広場で楽しんでいる人々を見ていた。日本人は全く見当たらない。今まではどの国に行っても、日本人がいた。それからセーヌ川沿いを散歩し、遠くに見えるエッフェル塔を見つけ、ルーブル美術館の広い中庭を散歩し、小さい凱旋門を発見した。やっと辺りも暗く、肌寒くなってきたので、今夜のディナーのため、レストランを探す。
パリは週末お休みのお店が多い。行きの飛行機の中でガイドブックで目星をつけておいたレストランに向かう。1件目は予約なしでは無理と断られた。その次はレストランというか庶民的な食堂。そこもほぼ満席だったが運良く席がとれた。それにしてもすごい活気。お客はみなワイン片手に食事をしながらお喋りに夢中。ものすごくおっきなお尻のウエイトレスが時折お尻を客にぶつけながら、テキパキとオーダーをとったりお会計をしたりしている。家族経営なのかお母さんは全てをこなし忙しそうだ。お父さんらしき人はお酒とデザートを入れる係らしくのんびりしている。おばあちゃんはフランスパンをザクザク切っている。圧倒されてきょろきょろの私たち。フランス語のメニューを見てもよく分からないので、2人ともムニュ(定食)とワインと注文。
ダンナ:ほうれん草のクルミオイルがけ(おいしかった!)・牛肉のワイン煮込み・アイスクリーム
私:いんげんのポタージュ・牛肉のワイン煮込み・レモンのクリームタルト
店内はとても騒がしい。遅い時間なのにどんどん人が入って来る。
初日からとばしすぎたせいで、お互いクタクタに疲れていた。食事中に強い眠気が襲ってきて、2人してごはんを食べながら子供のようにうとうとしてしまう。考えてみれば日本時間では早朝。徹夜で遊んで、朝からフランス料理を食べているのだ!せっかくのパリのビストロでのディナーもこれまたほんとの夢の中となってしまった。くたくたになってホテルに戻り、すぐに寝た。それにしても長い1日だった。


早起き。身支度をして、朝食もとらず(どうやらホテルにはついていないようだ)出かける。
今日はまずパリ滞在中の目的のひとつ「蚤の市」へ。蚤の市は午前中が勝負らしいから、できるだけ早く到着したい。外は思ったより寒い。私はストールを首にぐるぐる巻いて出かけた。ダンナは相変わらず薄着だ。日曜の朝のパリは閑散としていた。人影もまばら。お店なんて1件も開いていない。地下鉄に乗る。パリの地下鉄(メトロ)は非常にややこしい。乗り換えはもちろん、いつ電車がどっちからやって来るのか、どちら側のホームに行けばいいのか、次はどこの駅なのか、どっから地上に出ればいいのか・・・・全てが分からない。その代わりどこまで行っても1.3ユーロと安い。パリで私たちはほとんどメトロで移動した。向かったのはパリの中心から少し南下したところにある「ヴァンヴの蚤の市」。パリでは週末にいくつかの蚤の市が催されていて、売っているものも各蚤の市で様々らしい。生活雑貨が多いということでここを選んだ。メトロを出て、簡単な地図片手に向かったが、どうやら反対方向に歩いていってしまったらしくかなり迷った。しかもかなり歩いてから気付いた。昨日の疲れはそう簡単にはとれてないらしく、体は重い。私は不機嫌になってしまい、朝からかなり険悪ムード。地図係(ダンナ)によると、そもそも地図が間違っていたらしい。「朝の散歩できてよかったやん。」と。
蚤の市は私たちが向かった駅の反対側のすぐ近くにあり、ふつうの町中の通りにびっしり露店が並んでいた。ここだけは人がたくさんいる。ゴキゲン斜めだった私もついつい鼻の穴が広がる。いわゆるガラクタ市。食器、台所用品、家具、絵画、アクセサリー、カメラ、時計、缶、おもちゃ・・・・わけのわからないものもたくさん並んでいる。何から見ていいものやら・・・・。とりあえず端っこから順番に物色。ここでは夫婦別行動。お客は年配の方が多く、少しズレた眼鏡の奥から目を光らせている。それにしてもパリの人はガラクタの中から宝物を見つけるのが上手。埃まみれのお菓子の空き缶やひび割れた食器が、彼らの手にとられると骨董品に見えた。隣にいたおばあちゃんに、見るからに使いものにならない手鏡を「どうやって使おうか?(と言っていたと思う)」と聞かれて困った。パリの人たちはとことんまで物を大切に使うらしい。私も見習わなくてはとしみじみ思った。はじめはみているだけで精いっぱいだったが、そのうち慣れてきたので覚えたてのフランス単語と電卓で交渉してみた。
● 蚤の市で買ったもの
サッカー練習用(?)ミニボール(皮製)4個(夫とサッカー好きの友人のお土産)、スープボウル2個
木製の小さいまな板(ナイフ立てつき)、男と女の形をした空き瓶
ひととおり見終わるとおなかがペコペコに気付く。そういえば朝から何も食べてなかった!ちょうど目の前には市場があり、私はまたもや興奮して覗いてしまった。でも食材ばかりで、すぐに食べられそうなものはあまりない。ダンナがもう限界の顔をしていたので車で売りに来ていたクレープをランチにした。私はチキンとフロマージュ(チーズ)、ダンナはシャンピ二オン(キノコ)とフロマージュのクレープ。2人とも甘くないクレープを立ったまま食べた。ダンナは「シャンピニオン」をタマネギが入っていると勘違いしていたらしい。生地が茶色っぽくパリパリしているクレープで、こうばしくまあまあ美味しかった。中近東の顔をしたお姉さんが慣れない手つきで焼いてくれた。私はこの後、甘いクレープも食べてやると密かに企んでいたが、意外とボリュームがあり満腹。クレープの途中、目の前でおじさんどこからか突然小さなピアノを持ってきて、軽快に演奏を始めた。パフォーマンスをして、CDを売っているらしい。とてもかわいらしかった。その後、蚤の市をもうひとまわり。
蚤の市を後にし、近くにあるお目当てのパン屋へ向かう(またもや道に迷った)。バゲットとりんごのタルトを2つ買って、目の前の公園のベンチでほおばる。おいしい!!公園はファミリーが多く、私たちは小さな子供たちをずっと見ていた。そのかわいさったら!!ダンナは芝生の上で、蚤の市で買ったミニサッカーボールを早速蹴っていた。でもさすが花の都パリ!公園はかわいい花々でいっぱい。
さて、次はモンマルトルへ。地下鉄の中でダンナは熟睡してしまった。仕方ないので、私はがんばって起きていた。映画“アメリ”でも有名なモンマルトルの丘へ。道中、こちらも映画の舞台となった“ムーランルージュ“前で記念写真を撮る。思ったより質素な造りだった。それから、どんどんどんどん急な坂を上っていく。途中、1件だけ満員のカフェが。どうやらアメリの撮影が実際に行われたカフェらしい(名前は忘れたが・・・・)。写真を撮るのを忘れてしまった。そして、まだまだ上る。なぜかどんどん人が増えてくる。モンマルトルの丘の頂上付近はものすごい人でぎゅうぎゅう(でもなぜか日本人は1人も見かけなかった)。ここは市街を一望できる。お天気も良く、気持ちがいい。今度は私が芝生の上でしばしお昼寝させてもらった。帰り道、なぜかいかがわしい通りを歩いて帰る。夜になったらすごいんだろうなというところ。昼間でも営業中のお店はあるらしく、お店の前には客引きがいる。そのうちのひとりの女性がなぜか私に寄ってきて、裸の女性の写真を見せてきた。意味不明!もちろんだんなは横にいるのに、なんで私なのか?こっちも疲れていたので、知らんぷり。
パリ中心に戻る。2人とも疲れはピーク。頭がガンガンする。「これって時差ボケちゃう?」と今更気付く。特に私はクタクタでヘナヘナだった。ダンナはかなり私の体調を心配してくれていた。
それなのに、何がここまで私たちを動かすのか???ルーブル美術館へ。全部ちゃんと見てまわると丸1日かかるので、あえて閉館前に入った。目指すは「ミロのヴィーナス」「サモトラケのニケ」「モナリザ」の3つだけ。もともと私は、美術館は苦手なので、これくらいでちょうどいい。それにしても、噂通り広かった。中はヒンヤリしている。あまりよく分からない私たちは、ただ単に美術の教科書に載っていた作品や大きな絵を見て「すごいなあ。」ばかり。モナリザは思ったより小さかった。
ちょうど閉館時間になったので出ることに。出口付近にお土産売り場があり、ダンナが「モナリザTシャツ(モナT)」に一目惚れし買っていた。これを着て近所を歩きたいらしい。私にはよく分からないが・・・・。
ルーブルの中庭、ピラミッド(入口)の見えるカフェで休憩。私はオレンジジュース、夫はビールを飲んだ。ほんとうに疲れていたので、あまりしゃべらなかった。ホテルへ戻る。ひと眠りしてからディナーにしようということで、目覚まし時計をセットして泥のように眠った。夕飯も食べず朝まで!!


夜中目が覚めてびっくりした。楽しみにしていたディナーが・・・・ダンナを起こし夕飯を食べそびれたことを伝えると、寝ぼけているのか「今から行くか?」と言う。開いているレストランなんてない!くやしくて昼間買って残っていたパンをかじった。食べるというのでダンナの枕もとに半分置いておいてやったが、朝起きるとそのままだった。
ホテルの近くにおいしいパン屋があるようなので、朝早くハラペコのまま向かう。ホテルの人は昨日に続き朝早く出かけるこの日本人夫婦を奇妙に思っているご様子。セーヌ川の岸に座って、ノートルダム寺院を見ながら食べた。クロワッサンがバターたっぷりでおいしい。
さて、どうしよう?今日は主に中心街を散策する予定だが、まだ朝早いので、どこもまだ閉まっている。とりあえず、目の前のノートルダム大聖堂に入ってみようということに。静寂で厳かな雰囲気の中、何人かの人がお祈りに来ていた。ステンドグラスが美しい。キリスト教のことは詳しくないが、座っているだけで心が静まる。と言っていた矢先、ダンナがカメラのフィルム部分をうっかり開けてしまった。こんな場所で怒ってしまった私。バチがあたるのではないか・・・・と思った。
その後、時間もあるので「凱旋門へ行こう!」ということに。メトロに乗る。ダンナは「凱旋門の真下の地下鉄出口に出たいなあ。」と言っているがもちろんどこに出てくるなんて分からない。シャンゼリゼ通りの少し離れたところに出た。テレビで見る“ザ・パリ“である!興奮してシャッターを切りまくる。2人での写真も撮ろうと通りがかりの人にお願いしようとしたが、みなさん通勤時間でお忙しそうなので、仕方なくカメラをベンチに置いて、セルフタイマーで撮影(成功)。来てよかった!
体調も考えて、ここで初タクシーに。コンコルド広場を通り、車からの景色を楽しんでいるうちに、目的のサンジェルマン・デ・プレへ。といっても降ろされた場所が分からず困った。これからはお店巡り。私はやっぱりお買い物が好きらしく、急に元気になった。まずは行きたかったチョコレート屋さんに向かうが、まだ開店準備中。その前に友人オススメのパン屋さんへ。ここはパン・ド・カンパーニュが美味しいらしいが、大きすぎて2人ではとても無理。他のパンをちまちまと買って、公園で食べた。やっぱり、フランスのパンは美味しい!!ダンナはパン作りが趣味だが、これが刺激になってどんどんおいしいパンを焼いてくれたらなあと思う。
その後、チョコレート屋さんに行き、百貨店とスーパーの食品売り場に行き、ちいさな教会にも入った。チョコと塩とこれから増えるだろう荷物に備え、おおきな手提げバッグを買った。途中に見つけたレストランでお昼に。開店とほぼ同時に入ったのではじめ店内は私たちだけだったが、気がつくと満席だった。いわゆるパリのビストロ料理。簡単なコースとワインを注文。
ダンナ:スモークサーモン(たっぷり)の前菜、メインのお肉(ダック)、ガトーショコラ(ダンナお気に入り)
私:オニオングラタンスープ(どんぶりなみ)、メインのお肉(ラム)、クレームブリュレ(タマゴの味濃厚。ボリューム大。)
パリ最後のゴハンは美味しかった。それから私が行きたかったお洋服屋さんを1件見て、急ぎ足でホテルへ帰る。
ホテルの人にサヨナラをし、荷物を持って空港へ。次の目的地はイタリアのフィレンツェ!
やっとパリの街にも慣れてきてメトロもスムーズに乗れるようになったのに、もうおしまい。2泊3日の短い滞在。全然食べ足りなかったけど、またの機会を待とう。パリでいちばん印象に残ったのはあいさつ。いつでもどこでも、とりあえず「ボンジュール!」。私たちの抱いていたフランス人の印象は大きく変った。私たちが出会ったのはとても気さくで親切ないい人たちばかりで私たちを楽しませてくれた。
パリ、メルシー オッヴァ!
★ おまけ ★
〜 私たちが使ったフランス語 〜
ボンジュール!:おはよう!/こんにちは!
ボンソワ:こんばんは
パルドン:すみません
メルシー オッヴァ!:ありがとう またね!
〜シルブプレ:〜おねがいします
ケセクセ?:これは何?(たずねるくせに答えは聞き取れない・・・・)
トレビアン!:ステキ!
ダコー!:OK!
(親指を立てて)アン:1つ!
(親指と人差し指を立てて)ドゥ!:2つ!/2人/2枚
ヴィン:ワイン
カフェ:コーヒー(エスプレッソ)
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