私姓名判断というものがある。
名前の画数や音によって、その人の運命を占うというものである。
私はこれを結構信じていた。
結婚して名前が変わったら、運まで変わってしまうのでは?と内心ドキドキしていた。
でも全く同じ名前の人が同じ運命を辿るわけではないので
やっぱぁ、こんなのってぇ、あてになんないんじゃん!
と若者風に自分に言いきかせてみたりしている。
お笑い界でも、「さまぁ〜ず」や「くりぃ〜むしちゅー」
のように改名をきっかけに売れた芸人達がいる。
番組の企画でしたことだから、話題になっただけかもしれないが
やはりコンビ名というのは大事だなぁとつくづく感じた。
だが、さまぁ〜ずはさておき、
私の中でくりぃ〜むしちゅーのというのは、いつまでたっても定着しない名前だ。
私にとって彼等は、やはり海砂利水魚なのである。
そもそも海砂利水魚とは落語の寿限無(じゅげむ)にでてくる長い名前からとったものである。
いかにも、うんちく好きの上田が考えそうな名前である。
彼等らしい。
私が海砂利水魚を初めて見たのは、中学1年か2年の時だった。
それまで、笑いといえばダウンタウン一色で、他の芸人には目もくれなかった私に
新しい分野を開拓させてくれたのが彼等だった。
当時はまだ、お笑いと言えどもアイドル色が強い時代だった。
にもかかわらず、爽やかさのかけらもない二人の様子がとても印象的だったのを憶えている。
年齢不詳の上田の容姿と、年中目の下にクマがある有田。
邪悪なお兄さんと呼ばれるのも仕方あるまい。
そんな二人の売りは漫才である。
表情ひとつ変えずに、たんたんと続けられる有田のボケ。
それにつっこむ上田のツッコミのバリエーションの多さ。
そして、そのツッコミを無視して、独走する有田。
そのかけ合いが何とも言えず、反抗期の邪悪な私の心を鷲掴んだのである。
今では、たくさんのレギュラー番組をかかえるまでになった彼等だが、
彼等は彼等らしいポジションを見出せたのだろうか。
私にはまだ分からない。
千田なつみ Presents [ 笑い道]
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