お笑いブーム。
これは芸人たちの戦場である。
実力があるからといって、必ずしも売れるとは限らないのが笑いの世界である。
癒し系やセクシー系など、なんとなく雰囲気で目立ち、売れる芸人もいれば、
実力があってもなかなかメジャーになれない芸人たちもたくさんいる。
これもまた運である。
しかし所詮、運は運である。
それだけでは生き残ってはいけない。
そして実力のない芸人たちは、一発屋として消えて行くだけである。
例え実力があったとしても、彼等は現状に甘えず、
常に切磋琢磨し、新しいことに挑戦していく貪欲さを要求される。
お笑いブームになれば、それはさらに要求されるだろう。
お笑いブームになれば、芸人たちがメディアに露出する機会も当然増えるわけだが、
その分彼等は、「ファンを飽きさせない」という難しい課題をつきつけられる。
長い間考えに考え、完璧といえるネタがあったとしても、
ファンは3、4回見れば「またこのネタか」と思うだろう。
求められるのは、温故知新の精神というか、自分達の長所や個性、持ち味は大切にし、
且つそれだけに固執せずに新しいことに挑戦していく姿勢なのではないだろうか。
同じネタでも練り直し、さらに面白くするのもアリだろうし、
例えば「いつもここから」のように、全く違うネタで攻めるのも良いと思う。
私が高校の頃、ボキャブラ天国という番組がきっかけとなり、お笑いブームが起こった。
そのブームにのり、実力のある芸人たちもたくさん露出するようになった。
その中で生き残り、今メジャーになっている芸人たちもいるが、
消えていった芸人たちもたくさんいる。
私の中ではジャリズムやフォークダンスDE成子坂が、そうである。
その後、彼等は解散しピンで活動している姿も何度か見掛けたが、
コンビの頃の方が光っていたように思う。
劇団ひとりのようにピンになって伸びる芸人もいるが、そうでない者達もいるわけである。
しかし、最近ジャリズム復活の朗報が私の耳に入った。
とても嬉しいことである。
本当に実力のある芸人たちがメジャーになり、
もっともっと日本の笑いのレベルを高めていって欲しい。
本当にそう思う。
千田なつみ Presents [ 笑い道]
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