其の16「スケールというもの




突然ですが、人には様々な場面でそれぞれのスケールや尺度で物事を判断していますよね。

たとえばみんなで食事に行く時に注文する量とか、店を選ぶ基準なんかも人それぞれのようで。人とは違うスケールを持ちたいと思いつつ、同じものを選ぶのが落ち着く典型的な日本人の僕にとって、多少おかしくても自分のスケールをしっかり持っている人に、ちょっと憧れてしまったりします。

スケールの大きい人になりたいですな。

「ベン・ハー」 ウィリアム・ワイラー監督

過去の映画で、この映画ほどスケールの大きいものはそうないでしょう。今年のアカデミー賞で史上3度目の11部門を受賞したあの3部作の最終編も、数年前に全世界を席巻した同じく11部門受賞の沈没船の物語も、初めて11部門受賞した作品にはやっぱり届かない気がする。

断っておくと、れいじは映画に苦手なジャンルがあるとすれば、古代ローマを舞台にしたお話。アングロサクソン至上主義みたいなノリが鼻につく映画は特に苦手。

しかも別にこの映画をリアルタイムで見ているわけでもないので、この映画の映像のギミックのクオリティに感動したわけでも、CGで見なれた感もある群衆のシーンに感動したわけでもない。もちろんすごいが。

ただ、この映画はスケールが違う。製作期間が長いとか、当時としては破格の54億円かけたとか(最近はそれがドル表示だが)、いくらでもあがってきそうな逸話を置いておいて単純に映画を観客として見て、スケールが違うと感じてしまう希有な映画。

圧倒的な世界観とその迫力は筆舌に尽くしがたいです。



これまた断っておくが、私は名古屋出身で大阪の大学を卒業しているが、生まれてこのかた生粋の巨人ファンである。
そして最近、読売ジャイアンツ終身名誉監督が脳卒中で入院した。

今の日本において、この人ほどスケールの大きい人はいないだろう。ファンの贔屓目を差し引いたとしても、その影響力をみて一目瞭然である。

長嶋茂雄氏の少しでも早い回復を心より祈り、今回は終わりたいと思う。


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