2週間ぶりのごぶさた、今週のbouncyです。
最近、暖かい日が続いていましたが、何だろう、今日の寒さときたら。
最高気温、東京では7度の予報。さ、寒い。
みんな風邪引かないように、気をつけましょう。
さてさて、今週は長くなりそうですので、早速行きましょう。
と、いいたいところですが、その前に、お詫びと訂正。
前回紹介したmablibですが、間違えて3位って記載してしまいましたが、
2位の間違えです。3位はBuffalo Daughterなのでよろしく。では行きましょう。
2003年 bouncy年間ベストディスク 第1位
Nathalie Wise/Film,Silence

いままで、数々の音楽に出会ってきましたが、これほど衝撃的な出会いはなかなかありませんでした。
毎年毎年、150枚くらいのアルバムを聴いて、そして、勝手にその年のベストディスクを決めては友達に聞かせたりしてきました。
しかし、毎年ふと思うことがあります。
その年に発表されたアルバムを対象にして、一番よかったと思う作品を1位としてきたのですが、実際には、その一年を通して一番聴いたアルバムと、1位に選ぶ作品が違うということでした。
つまり、1位に選ばれた作品以上に、沢山聴いたアルバムがあるのです。
例年だと、矢野顕子「super folk songs」やYMO「public Pressure」だったり、Joao Gilbertoや
Keith Jarrett「The Koln Concert」だったりと、いわゆる人生の名盤、墓場まで持って行きたい音楽なのです。
が、しかし今年は違ったのです。間違いなく、僕は今年、この作品を一番聴いた。
1位に選んだ、この「Film,Silence」を。
それはもう何度も。電車の中でも、仕事しながらも、自転車乗りながらも、帰り道でも、何度も、何度も聴いては、そのたびに、この作品の世界にやられていました。
聴き流せるタイプの音楽ではない。心地よく流れている、たとえば、カフェで流れているような、スムースな音楽では、決してない。
でも、聴いた。何度も、何度も、何度も。
そのたびに、その作品に満たされている情景を思い描いては、そこを懐かしみ、憧れた。
いつか、そこに行けるようにと、いつか、そこに戻れるようにと。聴くたびに、何度も、何度も。
そう思わせるのだ、この音楽は。
これは、僕の個人的な思いがあるからかもしれないが、そんな、音楽だ。
以前、この作品を映画のような作品と紹介した。でも今紹介するならば、僕はこう伝えたい。
まるで、思い出のような音楽だと。
それは、僕の思い出でも、作者の思い出でもない。
でもこの音楽は、まるで思い出だ。それほどに、美しく、深く、苦く、明るい。
この音楽を聴けば、きっとその理由はわかると思う。
ぜひ、聴いてもらいたい。
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