第45回 通報サレマシタ

サカシタニホンコンです。
先週ちょっとびっくりしたことがありまして。
いきなり結論から話しますと、ニホンコンの写真生活の初事件。

私、110番通報されまして。
あやうく御用?
いやいや、そんなことはなかったのですが、ちょっとありまして。

コトは先週にさかのぼりますが、代々木の住宅街あたりをプラプラと歩いていた時のこと。

「おっ!すてきな建物見っけ!」

なんとも古びたアパートが建っており、入り口から逆光が差し込んでおりました。

「ひゃー!シャッターチャンスかも!」

とカメラを構えたものの、あまりステキではなかったので、
やめて、そのままそこを去ろうとしたところ・・・

「おい!オマエ!マテ!」

と、後ろで声がする。

「ここで何をしてるんだ!!」とプチ発狂気味のおっさんが1名。
どうやら道のお掃除をしていた模様。全然気付かなかった・・

ニホンコン「写真を『撮ろう』としてました。が、辞めました」

(以下、おっさんは「お」、ニホンコンは「ニ」で表記)

お「そんなこと聞いてんじゃない!何してるかって聞いてるんだ!」
ニ「そのままなんですが」(ホント、そのまま)

んで、その場を足早に立ち去ろうとしました。
アジア諸国でもこのようなことはチョクチョクあったのですが
言葉が解らないフリをするか、10億の民の間に隠れてしまってオワリだった。

ただ、ここは日本であり、隠れるほどの民も、人影もない住宅街。
とうとう、おっさん怒り出して、持ってた竹箒を「カラ〜ン」と地面に叩き付ける。

こりゃ、逃げないほうが、身のため。
ニホンコン、おっさんと「平和的解決」を求め、振り返る。

お「泥棒の下見か!!!」

平和的和解は、一瞬にして砕け散る。

ニ(このおっさんヤバいかも)「そんなんするわけないじゃないですか?」
  「私が泥棒するように見えますか!!!」←チト怒り気味で答えたものの

お「見えるよ!!」と。

オイオイ、マジかよ。この善良な私捕まえて泥棒か?人聞きの悪い!!
もう、ワケわかんない人には、ワケわかんない論法でいくとする。

ニ「だって、私7枚フィルム残ってたんですがね、
残り今7枚ですよ!ホラ、1枚も撮ってないじゃないですか!」と、
液晶の残り枚数表示を見せてみる。

充分ワケ解らないが。何枚残ってようが向こうには関係ないわけだし。

お「ちょっと待っとれーーーー!!」

と、おもむろに携帯を取り出し、何やらどこかに電話をしている。

お「もしもし、OOOマンションの者ですが」
ああ、警察ね、と思った。まあ、このおっさんと2人だけでラチがあかないよか、
10倍くらいマシだけど、その後が許せない。

「『不審』な『女』がウチの写真を取ってます!すぐに来て下さい」
↑というか、不愉快。

電話を切ってから、私こそ発狂したろかと思いましたが、
火に油を注いではいけないと冷静になり、ここは火に消化器をかけようと、
「あやまり大使」に変身。

ニ(やたら下手に)
「すいません〜、大家さん(尊敬語のつもり)でしたか?全然知らなくてすいません。
何も言わないで。気をつけます・・・」

お「黙れ〜〜〜!!とにかくここに立ってなさい!!!」

効果ナシ。
戦略、タダチニ再検討セヨ。

で、おっさんと私は入り口を真ん中にして、
それぞれ右側と左側で立っており、おっさんは私にまだブツブツいっていたのだが、
「だんまり地蔵」と化した私には殆ど耳に届いてなく。

ひとり冷静にいろんなことを考えてみる。

1、 今から来るのが警察だったらいいけど、
つるつるアタマの玉虫色のスーツのコワイおっさんだったらヤバいかも

2、 だったら逃げた方が賢明?今だったら運動靴だし、
私のいる側にはカーブの下り坂だから、‘頑張れば’逃げきれるかも・・

3、 いやいや、そんなことして余計に「ニット帽かぶった青いコートの『
不審な女』が脱走中」なんて言われても困るしな。

待つこと10分。
世界が終わるかと思うくらい、長かった。

来たのは自転車の警官1名と、パトカー1台(中には4名乗ってました)

大げさすぎ、まあ、しゃあないけど。
不審な女がいるんだからさ。

降りてきた警察官。開口一番
「あのー−−・・どちらが通報を???」

ニ「こちらです〜この方ですよ」

極めて明るく、怪しまれないように、ハキハキ答えることにした。
キャラは、疑惑をはらすため「明朗な女子」でいこうと。

おっさんの言い分はこうだ。
「取材許可無しに勝手に人ん家撮るとは!!」

まあね。
でもさ、そう考えたら、この逆光まではアナタのものではないでしょう。
と、へ理屈の一つもこねたくなる。

警察の方も、一応通報者の話を聞いて
「サカシタさん、いいですか?写真を撮る時には一言声をかけて下さいね」と、
私ノ方ガ悪イヨ判決を下さり、居残り注意をするといい、通報者を先に帰しました。

警察の皆さんは、こんな娘ッコの泥棒か否か話につきあわされ、
少しトホホ気味だったけど、一言「古いアパートなどは、撤去や建て壊しなどの関係で、
不動産が来たりするみたいで。人の出入りには神経質なところもあるようだし、
気をつけておいて損はないですよ」と。

ま、ニホンコンも悪いといえば悪いのですが。
ちょっとこんな経験なかったので、少しビックリしてしまいました。

街中で写真を撮られる方、カメラを持ったアナタがいい人であっても、
全くそんなこと思わない人も居るということを、頭に置いておきましょう。

最後に警察の皆さん、坂の下まで送ってくれ
「お嬢さん!バッグの口が大きいからひったくりには気をつけて!」と。

不審な女メに、ご丁寧にどうもありがとうございます。



2月17日 坂下日本/香港



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