類は友を呼ぶというが

笑い道を書くようになってから、

尋常ではないお笑い好きが周りに増えたように思う。

あの人たちに比べたら、私なんてお笑い好きとは言えないかも、と

実は近頃落ち込んでいた。

岩手から東京に引っ越してくる時

自分の所有するお笑いの記録媒体を全て持ってくるのは困難と判断した為、

自分が生きていく上で絶対に必要だと思うものだけを選んで持ってきた。

月日は流れ、自分がどれくらいのお笑いビデオを

記録し所有していたのか、うっすらと忘れていた。

時々日常生活の中で、ふと口ずさむ、

あのネタあのツッコミが、どのビデオに記録されているのか

わからなくなっていた。

今後「笑い道」を書き続けていく上でも

私の辿ってきた笑いの道をもう一度復習しようと思い立ち

新年早々、面倒くさがる母に頼み込み、

あるだけ全部のお笑いビデオを送ってもらうことにした。

数日後、実家から中くらいのダンボール箱が一箱送られてきた。

そこには私の青春がつまっていた。

爆笑、お笑い、ダウンタウン、、、。

毎日、新聞のTV欄をチェックし、片っ端から記録し続けた日々、、、。

きっと私と同じ様な事をしていた人間がSONYのコクーンを思いついたのだろう。

とにかく思っていたよりも、

はるかに多いビデオの量と内容の濃さに

「初めて自分で自分を誉めてあげたいと思った」

と言った有森祐子の気持ちが実感できたわけである。



そんなわけで、少しだけお笑い好きとしてのプライドを取り戻した

千田なつみの'04年の注目芸人は

「劇団ひとり」である。

彼の芸は抜群である。

X-GUNではないので、そこだけは注意してほしいというのが、一点あります。

なんだろう、あれは、、、。

いそうでいない、そんな人物描写がとても面白い。そして奥深い。

敢えてジャンルをいうならば、

イッセー尾形のひとり芝居とドランクドラゴンのコントのいいとこ取りという気がする。

彼はピンになって本当に良かったと思う。

少しだけ毒を吐かせてもらいと、

スープレックスのツッコミ(秋永)は、あまりに凡人すぎて

川島とはアンバランスすぎたのだ。

川島は相方が欲しいようだが、このままピンで続けてもらいたい。

では最後に、彼のネタで

通販に騙された男の一言。

「いつもの帰り道が少し違って見えました、、、。」

大好きです。


千田なつみ Presents [ 笑い道]
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