第41回 寒い寒いとは 言いますが

毎度お寒うございます。
サカシタニホンコンです。
ようやっと風邪も終焉を向かえるかとほっとしております。

寒い寒いと毎日言っている毎日ですが
そう言っていては何も始まらず、動きもとまってしまうので
そんな日常をを払拭すべく今日はニホンコンが留学時代に体験した
「最も寒い話」をば。

ニホンコンが留学していたのは、首都の北京。
1月になれば外は極寒。極寒もすごいもので、毎日「そういうもん」だと
「そういうもん」に慣れてしまうのである。人間てすごい。

だって、街で「今日寒いですが、何度ですかね?」なんて話すと
「マイナス7度だよ」と平気で返事が返ってきます。

そんな場所で毎朝7時に起きて8時から学校に通っていたって、今考えるだけで鳥肌モノ。

そんなニホンコンが、冬の真っただ中、1月下旬に行ってきたのは
「ハルピン氷祭り」

ハルピンとは、中国の東北地方にある町の名前。
(今緯度を調べたら、北海道の稚内(最北端)と同じでした)
まあ、いうなれば「札幌雪祭り」の中国版+氷版といえばよいのだろうか。
冬といえばハルピン、ハルピンといえば氷祭り、と言われるほど有名なお祭りで、
場所柄ロシアに近いため、ロシア人や、ロシア料理が豊富な、異国情緒溢れるところです。

あまりにも有名な祭りなので、当時ルームメイトだった韓国人の友人と
行ってみることにしました。

ただ

「零下40度」

なのですよ。そこ。マイナス40度って・・
クラスメイトでも、バナナ持参で釘が打てるかを実証してきた奴がいた。
(結果は「寒くて力入らず」と)

笑い話ではなく、どう防寒していいのかが皆目検討がつかない。

幸いなことに、先に旅立ったクラスメイトなどが、セツセツとどれだけ寒かったかを説明してくれ、
セーターを何枚着用するとか、下着はどうするとか、最後にはご丁寧に「防寒用の靴」までくれたのである。

防寒用の靴なんて知ってます?
要は靴下を幾重にも幾重にもはくため、通常の靴だとパンパンになってムリ、
ということで、底だけブ厚くて中は広く作ってあるつくりのもの。

ひえー、こりゃ大変だ、と思いながらも言われるままセーターやら靴下やらをはきまくり、合計

セーター:8枚
靴下:4枚
一番上に大きなダウンジャケット

という結果となりました。
もう動くのもままならない状態で電車に乗り込み、一路ハルピンへ。

マイナスの世界がどんなだったかというのを、もう7年くらいたった今でも、
はっきりと覚えております(だってあんな寒く、辛いことってないもん!)

日中、天気が良いってのに、寒い。
でもこの日は暖かいらしく、マイナス25度

「15度も高いじゃん!」って喜んでみたものの
「いや、ゼロから数えて25も低い」と友人に言われ、どんよりする。

この若干暖かいマイナス25度がどのくらいかっていうと、
「まず、手袋が外せない」のですね。
有名な路上マーケットに行った時のこと。
道ばたで買い物をしようとして、おばちゃんに「ハイ、いくらね!」
と言われて小銭を出そうとしたところ、手袋を外した瞬間に

「いッ!痛アーーーーーーーッ」

イタイのである。
ツメタイのでなく。
空気が冷たいと感じる前に痛くなるところなんて、どんなだよ!全く。
もうその時は「財布あける→手袋外す→小銭をササッ→渡す→手袋をつける」
こんな一連の行為を目に求まらぬ早ワザでやっておりました。

一方「ハイ、いくらね!」のおばちゃんのほうはというと

「素手でホイホイ仕事をしている」

という妙技?を見せつけられ、びっくりしたものの、ああ、これがここに住む人たちの
「そういうもん」なのだろうなあと、ぼんやり思った気がする。

日中はロシアンマーケットを探索したり、昼間の氷祭りを見に行ったりしました。







日中、子供たちは前輪がスケートになったヘンな乗り物にのって遊んでおり
ニホンコンは氷のオブジェに登り、係員に怒られたりしておりました。
写真でもお分かりの通り、もうニホンコン、
太っていたせいもありますが、人間の原型をとどめておりません。

恐るべし、マイナスの世界。

逆に「プラスの世界」といえば8月にシルクロードを旅した時に「摂氏40度」もある場所にいたことがあります。
それは真夏の寝苦しい夜にお話するとして、
最後に

肝心の夜のライトアップなのですが、見てびっくり。

「ぎょえーーーーー!ちゃちすぎーーーー!」



子供騙しかと思わせるような原色系ネオンがギラギラと夜を照らし、
こんなの日本だったらパチンコ屋か、高速道路沿いのラブホテルでも使わないよ!と言いたいくらいの
安っちー電球がたくさん、たくさん埋め込まれておりました。

どういう芸術センスか分からないと首を傾げる間もなく、
大量の中国人観光客で押しつぶされそうになり、ここまで決断して寒い思いをして来たのは何だったんだろうか?
とルームメイトと2人、悲しくなってしまいました。

その後、北京に戻ってきて思い出したのだが、北京の下調べの段階で「どんだけ寒いか」と
「それに耐えうる防寒」は聞いており、完璧なる防備をしたおかげで、
大分寒さはしのげたものの、あまりにそっちが熱心すぎて

「肝心の氷祭りはどうだったか?」なんて聞いてはいなかったのだ。

あいた〜。と一瞬思ったが、それ以上に中国人はもとより、留学生までも行きたくなる
「ハルピン氷祭り」が、ギラギラネオンと共に「中国大陸の冬の最大のお祭り」
として定着していることがすごいと思う。

やっぱ恐るべし、チャイナ。

1月20日 坂下日本/香港



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