第34回
イタミ篇
先週のニホンコンで、毎日いろんなことを感じたり、
一瞬を大事にすることを改めて思ったりしたのだが。
それにしても、イタかったー。
痛みを感じていた1週間でした。
痛みというのは、別に左胸がキュンとくる痛みとか、サヨナラの痛みとか、
そういうエモーショナルなものではなく、「本当にあったイタイ話」なのです。
普段、五体満足な生活を送っているニホンコンは、この1週間の生活で、
改めて不健康の不便さをひしひしと感じておりました。
まずは、ニキビ。
もういい年したオネイサンはニキビなぞと言わず、潔く「吹き出物」というのであろうが、
ニホンコン、女学生時代にツルツル肌だったので、
今こうして若き血潮をたぎらせているのである。
ちなみに、中国語でニキビは「青春豆」(チンチュンドウ)というのである。
なるほどね。
またそれが赤くはれるは、先っちょが白くなるわでイタイんですわ。
齢28にして初めてクレアラシルを会社に持参。
使用方法を「びふナイト」と間違え、刷り込むところを空高くてんこ盛りにして、笑われました。
ま。こんな痛み、序の口。
相撲でいうなれば、マゲも結えんな、こりゃ。
次に、口内炎
まあ、デカイのが2つも!イタイのなんのって。
しかもひとつは自分で噛んでしまったものが巨大化してできたもの。
みなさんに見せたく、写真を撮ろうとしましたが、
保険の教室の廊下に貼ってある気持ち悪い病気のポスターみたくなるので、辞めました。
別に人の口の中なんて興味ないか。(といいながら、人体展は人気とか)
昨日、友人宅にお呼ばれして頂いた「餃子」
醤油
酢
ラー油
これら全てが「ヒー−−−−−−ッ」なのだ。
どんだけ「ヒー−−−−−−ッ」だったのかは
「大きさ」とか
「患部の位置」とか
「程度」にもよるので、本人にしかわかるまい。
ま。このくらい痛めば幕内かな。
ヘンなしこ名でもつけてやろう。
最後が
これがまた強烈なのだが。
「ヒョウソウ」
知ってますこれ?
巻爪っていうんですか?爪が肉に食い込んでしまって炎症を起こすやつ。
(私、よくなるくせに、どういう漢字を書くのかも知らないんですが)
あれが今ピーク。
オフィスの近くの六本木にある整形外科に通っています。
(ニホンコンのオフィスは六本木にあるので)
毎日お薬をつけてもらったりするのですが。
ある日どーしても痛かった時に、お医者さんが
「悪い肉は、切ってしまいましょう」
と。
麻酔を打って切るため、別室に移されたが、私は知っていた。
「麻酔は『イタイ』と」
足の指先なんて、タダでさえ神経が通ってそうな場所なのに、
絶対に「患部ギリギリ近く」に麻酔を打つ。
ニホンコンの場合、その膿んで盛り上がった肉の「ナナメ下」と「ナナメ上」
いかにも痛そうだ。聞こえからして。
以下医者との会話
ニ:「それってメッチャ痛いんじゃないですか?」
医:「メッチャかどうかは知りませんが、イタイです、ちくりと」
麻酔といえば、歯医者とさんざ戦ってきただけに、知っている。
「ちくり」って医者が言う時には、痛いんですよ。覚えておいてください。
だって、お医者さんが「痛くない」って言って痛かったら嘘つきになるから、
「ちくり」っていっとけば、「ちょっとは痛むゼ、でもみんなガマンしてるぜ、
イタイなんて言うのはオマエだけだぜ!」っていう言い訳になるんだと思う。
深読みしすぎか?
ただ、私が医者でもそうすると思う。
覚悟を決めて、我がスイッチを切る。
こうなったら、何も見なかったこと、知らなかったことにしよう、と目をつぶり、横になる。
・ ・・・ガマンガマンガマンガマンドンナニイタクテモガマンガマン・・・
確かに数秒痛かったのだが、それ以上にびっくりしたのが
医「だ!大丈夫ですかサカシタさん!気絶してるんですか?
起きてますか?」
って耳元で叫ぶお医者さん。
うるさいよ、起きてるし。
あなたの麻酔がイタイからじっとしてんだろうが。
挙げ句の果てには、ご丁寧にその切り取った肉なぞ見せてくれる。
「ほーら、これが悪い肉ですよ、すごい色してるでしょ」
見たかないよ。そんなの。
キモチワルイ。
それから1週間経ってもあまり引かない本日、いつもの如く診察室へ入ると
「やっぱりどうしても爪が巻いてしまうので、少し切りましょう」と。
最初切らなくていいって言ったのに、
薬で治ります、って言ったのに
ニホンコンの長年連れ添ったこの爪は、持ち主同様しぶとかったようだ。
ただ、長引いても仕方のないものなので、2度目の覚悟を決めて目をつぶる。
しかも、今回
「麻酔ナシで切りましょうね」
だと。
麻酔ナシってどーゆーこと?
なにそれって、よく戦時中に兵士たちが鉄砲玉を当時の医療事情が悪くて、
麻酔もせずにナイフでえぐりだした、とか、男でも悲鳴をあげて泣くって聞いたけど。
相当痛いんじゃ・・・
植木バサミの小さいのみたいなのを、センセイがおもむろにもってくる。
これが爪切りか?
いや、それは植木用だろう。
いや、袋から丁寧に出しているから、患者の爪の角を切る為だろう。
もう、どうにでもなってくれ。
そして、先生が次に放った言葉がこれだ
医「ちょっと激痛がしますからね?」
「ちょっと」なのか?
「激痛」なのか?
よくわかんないけど、奥歯をぐっと噛み締める。
ここまで来たからには、兵士のつもりで「激痛とやら」を味わってみよう。
ぐぐぐ!むむむ!
おいおい、ちょっとまってって!イタイって!イタイって!
もうハサミの先ッポが患部に当たろうもんなら
痛さはもう、横綱級。
もう何がどうなってんのか分からないんだけど
とりあえず今より悪くならなければオッケイ。
そんな気持ちで、祈るように終わるのを待っていた。
これ以上語ると、全力でグーが握れなくなるような悪寒に襲われるので
やめにするとする。
あとどのくらいしたら
3粒のニキビが消え
たらふくお醤油、ワサビをつけたお刺身が食べられ
足にビニール袋を巻いて片足挙げてお風呂に入る日々から逃れられるだろう?
自分が何事もなかった日々が懐かしいくらい。
今はイタイ目にあっております。
誰かをイタイ目に合わせたつもりもないけどな。
ニホンコン、とてもじゃないけど、
ふんわりと情緒的なことを考えられるような状況ではなかったことを、お察しください。
(はじめてピンの合わない写真を撮った気がします)
12月2日 サカシタニホンコン
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Kaori Sakashita
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