第31回 旅風よ、早くニホンコンに吹いとくれ



先週のサカシタニホンコンで来年の予定を書いたところ
おめでとうから始まり、いろんな反応が戻ってきた。(みなさんありがとうございます)

中でも、もっとも多かったのは

「どこに旅に出るのですか?」

だった。

ハタと気付いたのだが。
全くもって決めていなかった。

1月というのが、全てにおいてネックになっているんだよ。
最初浮かんだ「アイルランド」。
絶対に心に残る旅になる、といわれ、前向きに検討したものの

「冬のヨーロッパはハンパなく寒い」

ということで、却下。

その後、チベットに行こうということで、己との妥結をしたはずだったが、知り合いから

「冬なんてホテルすらやってないってば」

といわれ、これもまた却下。マイナス20度の世界らしい。

ただ、ニホンコン、中国留学時代に冬のハルピン(ロシアとの国境の町)に行ったことがあるので、
その寒さたるや、想像できるような、できないような。
ま、この話は極寒の冬に置いておくとして、その前にすべきことがあったのだ。

パスポートを更新すること。

まず、これが先決。
しかもニホンコンのパスポートはもうすぐ切れるってのと
日本人にあるまじき、不潔極まりないパスポートを所持している。

中をひらいてみると、このような感じである。


普通のところ。





普通でないところ。

これ、ヤバいでしょ。
いや、実際ヤバいのです。

これ、偽造パスポートと怪しまれること多々ありで、
よく別室に連れていかれたり、他と違うところからの通過となることが多い。

しかも、昨年ハワイという、アメリカ大陸に初上陸した時なんかは
「ワタシタチ アメリカハユルサナイ!」みたいなことをいわれ、かなり辛かったりした。

何が起こったかって。

税関でいう台詞はこれだ

「ネパールでですね、川下りをしていた時に濡れてしまったんですよ」

3年前、無職のまま3ヶ月放浪した際に寄ったネパールでの話。
ネパール旅行をした時に、ポカラという山あいの村から首都カトマンズへの道のりで、
ラフティングをしながら行く企画があったのだ。

本来ならば、貴重品すべて防水ケースに入れるものを、
ニホンコン首から掛けていた貴重品バッグをすっかり忘れており
銭ともども「しっとり」させてしまった。

ま、ラフティングというのは、6人が1つのゴムボートにのり、
えっちらおっちら川を下るものなのですが。(当時の写真はまだおデブだったのでみせられないが)

これがまた「ひどい」のだ。

参加したのは、私と、アメリカ人のファンキーな男子、香港人女性2人、ドイツ人夫婦2人の計6人。

いろいろ話を聞きながら、全員で力を合わせてボートに乗り込むことに。

「エキサイティングが好きな方〜、一番前の席に」
真っ先に手をあげたのは、私と、アメリカ人のファンキーな男子。

重たそうなドイツ人夫婦は真ん中で、香港人女性は最後の列、そしてガイドさん。

ガイドさんからの緊急時の説明では

「みなさん、緊急の時には、このエアバッグを投げますから」

と、長いロープの先端にちょこんとある浮き輪を見せてくれた。

ニホンコンは「けっ、こんなエアバッグ、飛行機の救命胴衣と同じくらい、
使用頻度がすくないんじゃないか?」と、ほとんど聞かずに出発した。

おまけにその時期は、ネパールで一番水位が低いと言われていた3月、
現地人にも「絶対つまらんってば」と笑われながらのラフティングだったので
適当に終わると思っていた。

が。そもそも、それが間違いだった。

結果、エアバッグは3回使用された。

2回は軽〜く流された人の救出用。

最後の1回は、ちょっと危険だった。

高さ「ン」メートルのプチ滝に突っ込み、
乗客全員が「宙」に舞った。
勿論ニホンコンも舞った。

で、幸いにもボートの中に着地したニホンコンが「みなさんダイジョウブですか?」と振り返ると

3人しかいなかった・・・

んで、目線を前に戻すと

2人流されていた・・

んで、傍では

ドイツ人の男性が溺れていた


ひえ〜〜〜

自分がボートの中にいることを感謝しつつ、まずしたことは

近場から、ドイツ人の風船で膨らませたようなデブのオジサンを3人で救出。

それから、自力で這い上がってきた現地ガイドの
「みんな!漕げ!あの2人に追い付くんだ!」みたいなかけ声に合わせて、川を下る下る。

流されていたのは、ドイツ人のおばさんと、香港人の女性1人

オバサン、もう、半狂乱。
香港人の女性が、自分がしっかりしなきゃと思ったか、
自分の持っていた漕ぐ用の棒(名前は忘れた)をオバサンに渡し、
かばうようにして、急流を滑っていた。

最後は2人に追い付きそうな場所で、エアバッグが投げ出され、無事2人は救出されたのだが。

その瞬間、生きてることを実感し、相当興奮したのを、今でも覚えてる。

次、どこ行こうかな。
今でも考えあぐねているところです。

別にこれ以上の興奮と感動とギリギリを求めるつもりは全くないので、
「アマゾンでピラニアと対決!」とか、変な提案は受け付けませんが、
貴女(貴男)が心に残っているあの場所、
あの人、あの風景、あったらニホンコンまでそっと教えて下さい。

11月11日 サカシタニホンコン
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