其の11『それでいい』

世の中これだけ競争社会であくせく生きている中で、スマップの「世界で一つだけの花」が流行るのも気持ちは分かる気がする今日この頃です。そうオンリーワンだよなんて自分を慰めてあげることも時には必要。

疲れちゃうから、時にはね。


「それでいい。」 佐藤久文 著

「世界で〜」と同じ雰囲気を持った漫画です。1話4Pの短編で、市井の人々の何気ない日常の中、ふと光る一瞬を切り取ったような話。

タイトルにもあるように、「それでいい。」と思わせてくれるお話の数々のなかで、それぞれの登場人物に共通しているのは、それぞれがその時々を一生懸命に生きていること。精一杯やって、それで今があるなら「それでいい。」のかもしれない。

ただこの漫画にしても、スマップの歌にしても、精一杯やってない人が言い訳に使う場合が多い気がする。

大してがんばってないような人が、いやオンリーワンだからみたいな事言っても、それはナンバーワンになれない人の負け犬の遠ぼえなわけで。それは「よろしくない。」と思うのですよ。

特に小学校の先生なんかが喜んで題材にしそうなお話なんだとは思うのですが、あんまり子供にはお勧めしたくはないんです。


なんでも最近の運動会は、子供達が徒競争で最後に手を繋いでゴールするとかしないとか。

そんなアホなと思ったのですが、これが本当らしいので愕然としたことがあります。

子供の頃なんかは、徒競争で負けることで自分の身の程を知ったり、負けないようにがんばって練習することで自分の限界を広げたりすることが重要だと思うんだけど。現に僕は足が非常に遅く、これでは勝てないから逆に球技に燃えてみたり、勉強にがんばってみたりしたもんです。

そういう意味では誰だってナンバーワンになるための努力はしなきゃいけない。そのナンバーワンの分野が何なのか、どの中でナンバーワンなのかというのは人それぞれ。そこがオンリーワンなわけで。

そこらをしっかり理解した上で毎日をがんばっている人には、是非お勧めしときたい本です。
「それでいい。」から、これからも頑張って!

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