さんきち なぞ図書館
なんだか、頭の回転が遅い時期ってありませんか?
と、唐突にたいへん失礼な質問ですが、
ない?
ないかな?
あ、お昼食べた後とか、お酒飲んだ後とかは別ですよ。
だってあれは、眠いか、酔ってるんだから。
そうではなくて、ちょっとした一時期。
3日間とか、1週間とか、1ヶ月とか。
わたしあるんです、これが。
そして、今がまさにその真っ只中。
もうほんとにまいるし、あせってしまうんだけれども、
どうしようもできん。
なんでか知らんが、たま〜にやってくる。
なんだろうなあ、これ。
この状態、例えるならば、ぷよぷよです。
「ぷよぷよ」ってゲーム、知っているかしら?
上からぷよぷよしたいろんな色の丸が降りてきて、
それを自分で操作して、
同じ色同士を4コくっつけると、はじけて消えるの。
それを、ひとつひとつ単体で消さないで、
連鎖で一気に消すと点数が大きいから、
一気に消すために、先を読んで、
どんどん積み上げて準備してゆくわけです。
大学生の頃はまってしまって、
よく兄弟をつかまえては対戦していたのだけれど、
このゲーム、調子のよいときと悪いときの差が、
はっきり出る。
頭がすっきりクリアで、
余裕シャクシャクでいろんな手が浮かんで、
おもしろいように何連鎖もできるときと、
頭が固まったように動かなくて、
まったく手が思いつかないまま、
あれよあれよという間に連戦連敗のときと。
なんで?って思うけど、どうしようもない。
そういうときがあるのです。
あれと、なんだか似ています。
どうもうまく頭がはたらかない状態のとき。
そういう時期は、どうするかというと、
ぼんやりしています。
いつだってぼんやりしてるじゃん!と、
まわりの人々はお思いになるかもしれませんが、
なんと、ぼんやりの種類がちがうのです!(強く主張)
頭の中の活動は目にみえないので、
どっちも変わりなくぼんやりに見えるんだけれども、
ふだんのぼんやりは、
頭の中がふつうにしゅるしゅるしゅる〜と回っていて、
愚にもつかないことばかりだけれど、
つつつつつっと考えがつながっていったり、
あ、あれって!などと思いついたり、
あれ?違うか・・・などと捨てたりして、とてもたのしい。
(我ながら地味だな)
でも、頭の回転の遅い時期のぼんやりは、
ほんもののぼんやり。
考えようとしても、なんも考えられないのです。
この時期がくるとすぐわかる。
だって、いつもの通勤電車の中がとつぜん、
「退屈」になるんだもん。
「あれ?なんだか今日は退屈だぞ?」と気付く。
自然にやっていた「考えるたのしみ」が、
なくなってしまったから。
これぞまさに、なにもすることがない。
そういう時はちょっとこわくなります。
これじゃあ、ただ生きてるだけみたいだって。
ただ、ごはんを食べて、傘をさして、
仕事をして、眠るだけだって。
『グレープフルーツ・ジュース』オノヨーコ著
講談社文庫¥648
そんなぼんやり中のわたくしですが、
今回のなぞ図書館、なんの本を紹介しようかと、
本棚をみていたら、この本が目に留まりました。
ぱらぱらとめくってみたら、
いまのわたしに、とてもタイムリー。
言葉が心に沁み込みました。
ただ生きているのは、全然あり。
ちゃんとご飯たべてぐっすり眠ろうっと。
なぞ図書館司書 さんきち
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