第22回 ♪ぼくのたいせつな〜〜〜
のはなし
とって〜もだいじ〜にしてた〜のに〜
サカシタニホンコンのカメラが末期状態かもしれない。
それも2台立て続けに。
正式にいうと、カメラやさんに持っていってもいないので
死亡と断定するのは、まだ早いが、限りなく瀕死、または脳死に近いので、
ETに先立たれたかと泣き崩れるエリオット君(注1)よろしく、
一足先に悲しみに打ちひしがれることにした。
私にとって、カメラとは友達みたいなもんなのである。
それも、私の都合で突き放したり、抱きしめたりも出来てしまう存在。
向こうも向こうで、100発100中のベストショットを撮ってくれたり、
時には大ムシされて、一枚も撮れていなかったり。
ひとつめは、コンパクトカメラなのだが。
夜からなにやらイヤな音が定期的にしたのである。
「ウィーン、ジャミジャミ、ウィーン」
この「ジャミジャミ」ってのがまた機械が壊れたっぽい音なんだ。
最初は無視して寝てたんだけど。
明け方、どうしてもうるさくて目がさめた。
どうせプリンターのご機嫌でも悪いのであろうと思ったけども
いや、違うのだ。
カメラがひとりで電源が入ったり、切れたりしているのである。
ポルターガイストとかいえるのであれば、それで済んだんだろうけど。
ま、済まないわけよ。普通はね。
彼はコンパクトの成りして、かなり高級で、
そして使う人を見下しているか知らないが、
私みたいな小娘が撮ったところで「ふん!あなたなんかにいい写真なんか撮らせないワ」と
言わんばかりの
ブレブレ写真を撮るのである。
ま、気位の高いひとだったんですよ。
そして、とりあえず電池を出して、今おねんねさせているところ。
近いうちに病院に連れていく予定。
そして、大変なのは、私の長年の相棒くん。
もう先は長くないであろう、奴を写真におさめておいたのだが
これがまた、損傷が激しくてね。
そりゃ、足掛け数年、私のリュックに「ボーン!」とつめられて、
やれ中国だの、香港だの、インドだの、タイだのと、秘境の地求めて
走くりまわっていたのだから、仕方がない。
周りからは「そんなカメラで写真撮ってるの?」と、
カメラの安さと手軽さだけで、ヘタくそと決めつけられることも多いなか、
めげずにコンビを組み続けていたのだが。
一度大々的なメンテナンスをしたので、まだ長生きできるかと思っていたら
そろそろお迎えが来ているのかもしれない。
なかなか相性がよかったなだけに、今とても悲しいのです。
ちょっと今日は、ニホンコン節がだせずにすいませんが。
真面目に辛いんですわ。
なんか、「昔の恋人を思い返して、バーテンにくどくど語って聞かせる男」
みたいになってきたので、ここいらへんとします。
9月2日 サカシタニホンコン
(注1)83年(くらい)にヒットした映画「ET」での1シーン。観てない人は観て下さい。
Kaori Sakashita Presents [ サカシタニホンコン ]
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