最近全然ファットじゃないじゃないか!との葛藤を元に、今回はとことんファットに!をテーマにしてみます。
そもそもなんで私がファットになったかといいますと、高校生の頃、人並みに運動部に所属し、行きつけのラーメン屋さんは味よりも量を重んじる生活を続けておりました。もうその頃の食欲といったら思い出すだけでも油がにじみ出てきそうな程。一日平均で5食は食べてましたね。
当時の部活はその摂取カロリーを使い尽くそうかという勢いで行われており、まぁ痩せてはいませんでしたが、がっちりした体格ですねぐらいだったもんです。ただ、胃袋は膨らむということを考えるほど、当時の僕は頭を使って生きてはいませんでした。
案の定、部活をやめた後もその食欲は留まる所を知らず、行き場を失ったカロリー達はいつ雪山でいつ遭難しても大丈夫な程、僕の体に貯えられたのです。ブランデー犬いらずです。
いつの頃からかラーメン屋も量よりも味で選ぶようになった私ですが、メニューにライスや餃子があるお店では、ついつい一緒に注文しちゃいます。
そうそうこれって中国ではあり得ない注文だそうです。ラーメンもライスも炭水化物、中国では餃子も立派な主食だそうで、千田が中国で「ラーメンとチャーハンと餃子!」と注文した所、クレイジーだと言われたそうです。
このエピソードを聞いた時、ある映画を思い出しました。
「シェフとギャルソン リストランテの夜」
1996年/アメリカ
監督:キャンベル・スコット、スタンリー・トゥッチ
イタリアからの移民の兄弟がアメリカで流行らないイタリア料理店を経営しており、職人肌のシェフの兄貴がリゾットとパスタを同時に注文するアメリカ人に、バカかと客質の悪さを嘆くシーンがありました。
この映画、全編にわたってほとんどイタリア語なので、最初はイタリア映画だと思ったくらい。出てくる料理はすべてとってもおいしそうで、見ててお腹が減ってしかたなかった覚えがあります。
頑固な兄貴と、なんとか流行る店にしたい弟との兄弟の対立と、一念発起して盛大なディナーパーティーを行う一晩にちょっとロマンスを振りかけたハリウッド仕立て。長まわしを多く使って、心象を丹念に描く手法は、さすがに役者が監督しているだけあります。
ラストは衝撃。5分くらいはカメラも動かず、台詞もなく、ただただ料理の仕込みをしている所を写すのみ。物語の余韻を、役者が最高の演技で調理しています。
なにも解決しないけど、兄弟はいつまでも兄弟で、これからもずっと流行らない店で喧嘩ばっかり。
全編に渡って兄弟喧嘩がちりばめられたこの作品、私も毎日のようにしていたことを思い出します。
最後に喧嘩したのはいつの頃だったろう。
パスタでもゆでながら、実家にいる弟に電話でもしてみようか。