をんなが付属品をだんだん棄てると
どうしてこんなにきれいになるのか。
年で洗われたあなたのからだは
無辺際を飛ぶ天の金属。
見えも外聞もてんで歯のたたない
中身ばかりの清冽な生きものが
生きて動いてさつさつと意欲する。
高村光太郎著「智恵子抄 改版」(新潮文庫)より
なぞ図書館たまにやる番外編
<いぬみみことば>
いぬみみことばとは・・・
就職活動のとき、わたしの履歴書の 趣味 の欄には
「三角折り」と書いてありました。
それは、趣味というよりも癖なのですが、
あの行動をなんと呼んだらいいものかわからず、
しかたなく苦心して名づけたのでした。
これはきっと、やったことのない人はいないと思うほど
ポピュラーな行動なのですが、呼び方がわからないのです。
説明すると、とても簡単。
本を読んでいて、なにかこう「ひっかかった」ときに
ページの端っこをピッと折る、あれです。
しるしをつけるというのですかね。
端っこ三角にするやつ。
でね、こないだ雑誌を読んでいたら、
これを英語でなんと呼んでいるかが判明したのです。
「ドッグイヤー」っていうんだって。
なぜなら!
折ったところが犬の耳みたいだから!
ふふふふふ。かわいいじゃん。
ということで、
なぞ図書館の本棚に並ぶ本の中の、
おもわず端っこを折ってしまった、「いぬみみな言葉」を
たま〜にご紹介してゆきます。
(いぬみみな言葉って、みみよりな言葉みたい。
でも特にお徳というわけではありません。)
おもしろいのは、
ずいぶん前に読んだ本でも、
折れたページを開くと、
そのなかのどの言葉に自分が反応したのか
すぐわかること。
本の内容さえ忘れているのに、
その言葉だけは、
ピンポイントで私の中に残るらしい。
おもしろい記憶のメカニズム。
それでは。
なぞ図書館司書 さんきち