ちだ先生のpoint日記
一週間ぶりのごぶさた、ちだ先生のポイント日記です。
この企画を始めてからCD屋(タワーレコード)に行く回数と、居る時間が以前にまして多く なっている今日このごろですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?今回は悩みました。久し振りにCD屋で一時間も悩みました。買うものが、聴きたいものが溢れてるんですよ、春って時期は。沢山紹介したいけど、そんなにお金はもってない。で、今回は直感と体調にあわせた選曲にしてみました。仕事に 疲れたあなたにおすすめします。

THE ISLE/World Standard &Wechsel Garland

このCDを買うつもりはなかったんです。鉄腕アトムのトリビュートを買いに行ったのです。すっかりそのつもりで。でも、いろいろいい音楽を見てけてし まい、迷いはじめてました。めずらしく時間もゆっくりあったので、久し振りに現代音楽と、アンビエントもチェックしようと入ったそのフロアで、このCDをみつけました。試聴機に入っていたこの音楽は、とても可愛らしいジャケットで、とても魅力的でした。手にとると作者名が
world standardとWechsel Garlandとあります。world standardは知っていました。アメリカン・ルーツ・ミュージックの日本の第一人者であり、細野さんと二人でユニットをやっている人。とてもいい音楽だけれど、僕が好んで聴くタイプの音楽じゃないなと思っていました。もう一人のWechsel Garlandさんに関してはまったく情報がなかった。きっといつものworld standardの音なんだろうなと、CDを置き通り過ぎようと思ったんですが、それでも僕を引きつける、そんなジャケットなんです。それじゃ、聴いてみようとヘッドフォンをして、再生ボタンを押した次の瞬間、僕はもう一度CDを手にとり、ほんの十秒で停止ボタンを押し、レジへ向かいました。
 単なるギターの音がいくつか響いただけなのだけれど、その音を聴いただけで、この音楽には何かあると思わせる、そんな空気がそこにはありました。人生に大きく影響する出会いはいつもこんなふうにやってくる。家に帰り、久し振りに、ただひたすらスピーカーに向かいました。というか、音楽の世界が僕をつかまえ動けませんでした。次々に展開されていく曲たちは、ぼくをまるで絵本のような不思議でイノセントな世界に導き、そこからぼくに現実世界を見せるんです。時に切なく、つらく、時に明るく。そうやって僕に見せることで、僕が失った気持ちを思い出せるように、、、それでもやさしく穏やかに、その音楽は空気を染めて帰っていきました。
正直、落ち込みました。自分の作る音楽が、まったく無意味なものに思えた。
竹村延和さんの音楽を聴いたときにもそんなことを思った。かっこいいとか、楽しい、美しいという要素が大半をしめる音楽が世の中に溢れているが、音楽はそれ以上に音自体で表現し、その空気を伝える必要があると。
万人にうける音楽ではないし、あまり現代音楽やアンビエントに興味がない人がすぐ聴いて好きになるタイプの音楽ではないが、強くおすすめします。1本の良い映画を見たような充実感があります。0時を過ぎてからじっくりとどうぞ。


clue to kalo/come here when you sleepwalk

この人に関しては全く情報がありません。試聴機で聴いてみて、なんだかゆかいで、ふわふわしていて、疲れた身体に効きそうなので買ってみました。なかなか面白い作品です。実際、脱力感20%UPな音。が、しかし、先にTHE ISLEの方を聴いてしまったので、すっかりやられてしまいあまりこれといった感想が出てきませんでした。オーストラリアの音響系なんだそうです。マニアックなシーンですね。ステレオラブとか
mellowとかが好きな人には良いかと思います。いまの僕には冷静に判断できない程THE ISLEの世界にいってしまっていますので、興味のある方で東京にお住まいの方は新宿タワーレコードのNEW AGE試聴コーナーへレッツゴー!

ポイントの方は実に順調40ポイントまであと4ポイント!今回は10ポイント獲得でした!お金ないよー!!!


p.s. V.A/Electric-brain Featuring Astroboy

買おうと決めていたATOMのトリビュート盤。この中に収録されている Rei Harakami/Theme (4曲目)は絶品です。アトムの持つ悲愴感と輝く未来の明るさが交錯し、見事にアトムの世界を音でみごとに表現している。どこかで試聴できれば是非聴いて下さい。

yasuhiro chida
Apr.14.2003