造船所で設計の仕事をしている友達の工場を見ることのできる海辺に連れて行ってもらった。海は青く澄んでいて、久しぶりに見る海の綺麗さに感動する。底が見えるんだよ!。海の向こうにある工場は大きすぎて、本当に大きいのかどうかも分からない。横を通ったの船がたてた波で、立っている浮き板が大きく揺れる。釣りをしている人はうまく立っている。きっと満員電車でつり革をもたずにたっているようなことだ。そんな感じ。船はぐんぐん進んでいって、造船所の近くを通りかかる。やっぱり、大きい。たばこの箱を置くような感じなんだけど、そのたばこの箱自体が結構大きいから、あぁ、やっぱり相当でかい。しかもそんなでかい物が奥にも構えているし。彼の設計している船は全長が200mもあるそうで。実労働10日で1隻作り上げているとのこと。1km四方が工場で、その広さのせいで全員にネームプレート付きの自転車が与えられるらしい。あんな鉄の塊を作るというのはどういう感じなのか、僕には全くわからない。それがちゃんと浮いて、物を運んで、確実に役にたっている。実際に本人に聞いてみたら、「まだ、やり始めてそんなに時間もたってないから実感がないけど、実際にここで作った船が世界中を回っているからね。やりがいがあるよね。でもいつも心配なのは、ちゃんと浮いてるんかな〜って。沈没しないか心配」。ごもっともです。島の展望台で、僕たちは彼と別れた。彼は寮に僕たちは地元に帰る。

帰り際に運転しながら友達が言った。「あの人は、単なる自慢をしたいんじゃなくて、仕事に誇りをもってるんだね。」そっか、自慢することと誇りを持つことは別なのか、、。確かにそうだったな。あの感じは。と思いながら「そうだね。」とだけ答える。そんな友達がいることを誇りに思う。島で一番大きなスーパーの前でネームプレート入りの自転車に乗った人を見かけ、少し疑問に思っていたものを見ることができ、満足して島を離れた。